Microsoft Office系のアプリケーションはアプリケーションの設定画面にカラーマネージメント用の設定項目が見当たりません。これは、アプリケーション自身ではなく、OSやプリンタにカラーマネージメントを任せる、という考えに基づいています。

(1) Windows Vistaの場合
Office系のアプリケーションは、張り込まれている画像をそのままOSに渡します。画像の種類としては、「プロファイルが埋め込まれているもの」と、「埋め込まれていないもの」が存在します。
埋め込まれている場合は、これを入力プロファイルとして扱われます。
埋め込まれていない場合は、デフォルトでOSに設定されているプロファイルを入力プロファイルとして使用します。
入力プロファイルは「コントロールパネル」−「色の管理」−「詳細設定」の「Windows色システムの既定値」の「デバイスプロファイル」で設定します。
デフォルトでは、図のようにsRGBが設定されていますので、埋め込まれていない画像はsRGBと解釈されます。
CMYKの画像もwindows10では表示することが出来ますが、入力プロファイルは、固定的に「SWOP」が用いられますので、「Japancolor 2001c」の
特性を持つ画像は正しい色味で表示することは出来ません。



出力プロファイルは、「色の管理」−「デバイス」の設定値が使用されます。

モニタについては、「色の管理」−「デバイス」でプルダウンメニューをスクロールすると、ディスプレイ関連のハードウェアが表示され、関連するモニタのICCプロファイルが図のように表示されます。


出力プロファイルとしてこれが使用されてモニタ表示が行われます。

プリンタについても、「色の管理」−「デバイス」でプルダウンメニューをスクロールすると、プリンタ関連のハードウェアが表示され、対応するICCプロファイルが図のように表示されます。


新規にICCプロファイルを作成し、または入手した場合は「追加」ボタンを押下して追加します。

(2) Windows2000、WindowsXPの場合
Office系のアプリケーションは、張り込まれている画像をそのままOSに渡します。画像の種類としては、「プロファイルが埋め込まれているもの」と、「埋め込まれていないもの」が存在します。
埋め込まれている場合は、これを入力プロファイルとして扱われます。
埋め込まれていない場合は、固定的にsRGBを入力プロファイルとして使用します。

モニタのプロファイルは、図のようにモニタの「プロパティ」の、「色の管理」に設定されていて、これがモニタの出力プロファイルとして参照されます。
もし、このモニタプロファイルが空欄であれば、モニタでの表示はカラーマネージメントされていないことになります。
なを、「プロパティ」で「色の管理」のタブが出ないこともあります。これは、機種が古いか、新しくてもドライバソフトがカラーマネージメントをサポートしていないことになります。



プリンタのプロファイルは図のようにプリンタの「プロパティ」の「色の管理」に設定されます。



(3)プリンタ用ICCプロファイルが参照されない場合について
 プロパティの「色の管理」で設定した、プリンタ用ICCプロファイルは、プリンタドライバの設定により選択・参照されますが、ドライバの設定によっては、参照されない場合もあります。
具体的には、EPSONのPM-4000PXなどのインクジェットプリンタでは、プリンタドライバをインストールすると、自動的にプロファイルが設定され、通常のドライバ設定では参照しますが、「色補正なし」を選択すると、このICCプロファイルを参照しません。したがって、Photoshopなどのアプリケーションでカラーマネージメントするとき、「色補正なし」を選択するだけで、OSによるカラーマネージメントを止めたことになります。

逆に、沖データのC5800、C810、C8600、C3400などは、プリンタドライバをインストールしても、ICCプロファイルはインストールされません。これは、プリンタ側で色調整するので、ICCプロファイルを無効とするためです。
しかし、ICCプロファイルを使用することも可能にしてあり、プリンタドライバで「カラー調整なし」を選択すると、「色の管理」−「デバイス」に設定したプリンタ用ICCプロファイルが参照され、OSによるカラーマネージメントが動作します。
したがって、沖データの非PSプリンタの場合は、Photoshopなどのアプリケーションでカラーマネージメントする場合は、通常の場合、プリンタドライバの設定で、「カラー調整なし」を選択しますので、プリンタのプロパティの「色の管理」は空欄にしておかなければなりません。


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