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IllustratorCSまでとIllustratorCS2以降とではスポイトツールで得られる値が異なることがあります。
具体的には、Illustratorで設定したカラーをペイントした場合と、リンクではなくオブジェクトの実体を配置した場合は、スポイトツールで読み取ったカラーの値は正しい値を示しますが、リンクで配置した画像のカラー値をスポイトツールで読み取った場合は、IllustratorCSまでは正しい値を表示していましたが、IllustratorCS2以降は正しい値で表示しません。
「PhotoshopとIllustratorでスポイトツールの値が違う」という場合は、Photoshopの方が正しい値を示しています。
IllustratorCS2以降のリンク配置画像に対するスポイトツールの動作について
ここでは、CMYK画像が配置されている、と仮定します。
(1) 配置されている画像の各ピクセルは、「カラー設定」の「作業用スペース」に設定されている「CMYKプロファイル」を参照してLabに変換されています。
(2) モニタに正しい色味で表示する必要があるので、「モニタ用ICCプロファイル」を参照して、このLabがRGBに変換されています。このRGB値がモニタに送られて表示に使用されています。
(3)スポイトツールで画面上の色を読み取ると、このRGB値を読み取ります。
(4)カラーピッカーを起動すると、RGBの窓にはこのRGB値が表示されます。
(5)このRGB値が「カラー設定」の「作業用スペース」に設定されている「RGBプロファイル」に渡されLabに変換されます。(1)のLabとは当然値が異なり無意味なLabと言えます。
(6)このLab値が「カラー設定」の「作業用スペース」に設定されている「CMYKプロファイル」に渡されCMYKに変換されます。
このCMYK値がカラーピッカー等のCMYKの窓に表示されます。従って無意味な、誤ったCMYK値であることが分かります。
IllustratorCS2以降でリンク配置画像の正しいカラー値を読み取るには
スポイトツールで直接読み取ることは出来ません。
一旦対象の画像をコピーし、Photoshopで開きPhotoshopのスポイトツールで読み取る、またはそれを「埋め込み」で配置し直す。