1チップMSXでグラサウルス2.0を使おう
(2006/12/17)
(2006/12/18 一部画像がIE6で見えなかったのを修正)
皆さんこんにちは、MSX研究所長です。
1チップMSXがようやっと発売されました。
既に先行予約や一般予約で1チップMSXを注文された方にはおおむね行き渡っていると思います。
さて、1チップMSXはプロテクトのかかっているフロッピーディスクのソフトをSDメモリカード上で動かすことができません。これは仮想FD機能を使ってもソフト側のチェックのせいでハネられてしまうためどうしようもないのですが、グラフサウルスについては過去にハードディスク上で動作させることに成功している方がツールと共に方法を公開されています。その知恵を借りることでグラフサウルス2.0については1チップMSXのSDカード上での動作に成功したので、具体的な方法をまとめてみました。
ちなみに注意点として、この方法は全くの無保証です。
大丈夫だとは思いますが、FAT16での動作検証は全然していないので、最悪の場合SDカードの中身を破壊してしまうかもしれません。
一応、グラフサウルス専用にSDカードを用意して使うことをお勧めします。
別の問題として、1チップMSX特有の隠し機能で動作速度を上げた場合、マウスの挙動がおかしくなります。具体的には、大きく動かしたときにカーソルが飛ぶ現象を確認しています。ELECOMのEGGMOUSE、及びW341連合さんの「マウスコンバータ/88」の両方で起きるので、たぶん他のマウスでも同様と思われます。
このページの内容について、D4EやMSXAへのお問い合わせは行わないよう注意して下さい。
1.必要な機材
1チップMSX
SD/MMCカード
Windowsの動作するPC(フロッピーディスクドライブが接続されていること、以下Windows機)
SDカードリーダー
グラウサウルス2.0、または2.1のシステムディスク(2.0と2.1のシステムディスクの内容は同一です)
2.ディスクイメージの作成
まずグラフサウルスのディスクイメージを作成する必要があります。
最終的に使用するソフトウェアである「グラフサウルス v2.0をハードディスク上で動かそう」の中には、MSXのフロッピーディスクドライブからハードディスクへイメージを転送するツールが付属しています。MSX用の外付けFDをお持ちの方は、1チップMSXに接続した上でそちらを使っても構いません。
以下ではWindows機での作成方法を解説します。
ディスクイメージをWindowsやDOS上から作成するツールはいくつか存在しますが、読み込みエラーが起きても中断しないものを使う必要があります。
Disk-Manager(DISKMGR.EXE)を使うのがよいでしょう。リンク先からダウンロードして下さい。
2−1.フロッピーディスクをWindows機に入れる。
[注意]グラフサウルスのシステムディスクを必ずライトプロテクトノッチを開けた、書き込み禁止の状態にしてください。
2−2.Disk-Managerからディスクイメージを作成する。
Disk-Managerを起動して、「New」を選択します。
2−3.ディスクの読み込み
「Copy data from disk」を選択して「OK」をクリックします。すると右側のウインドウが現れ、ディスクを読み込んで行きます。
2−4.エラーセクタの回避
フロッピーにかかったプロテクトの種類によっては、左画面のように「cannot be read!」と出ます。エラーセクタはプロテクとして故意に作られたものなので、「無視」します。
ただし、何度もこの画面が出るような場合は、ディスクの磁気が劣化していたり、カビの発生により読み取りができなくなっている可能性があります。カビを除いて外見からの判断は難しいのですが、無理を感じたら中断しましょう。
2−5.終了処理
終了時に出ることのあるこの画面は「いいえ」で構いません。
2−6.ディスクイメージの保存
この画面から「Save as...」で「G-SAURUS.OBJ」として保存します。
後ろに見えるファイル構成はディスクによって異なります(ここではグラフサウルスと違うディスクを読んでいるので、ファイル数が少なくなっています)。
3.1チップMSX上で実行する
事前に1チップMSX用に用意したSD/MMCカードに、MSXDOS2.SYS、COMMAND2.COM、およびEP.COMを1チップMSX付属のCD−ROMからSDカードにコピーしておいて下さい。
そして、どこか特定のディレクトリ(今回は「\GSINST」としました)に「グラフサウルス v2.0をハードディスク上で動かそう」を展開したファイルを置きます。同じディレクトリに先程作成した「G-SAURUS.OBJ」を追加でコピーしておきます。
この先は「グラフサウルス v2.0をハードディスク上で動かそう」の中にある「gsinit.doc」に従えば良いのですが、既にディスクイメージは作成しているのでそこは省略できます。
MSX−DOS2上から、以下の3つのコマンドを入力します。
GSPAT G-SAURUS.OBJ[Return]
EP G-SAURUS.OBJ B:[Return]
COPY B:G-SAURUS.COM A:[Return]
1チップMSXのスクリーンショット。
これでエラーが出なければ完了です。
あとは
GS[Return]
で起動します。
1チップMSXのスクリーンショット。
ちなみに筆者はF1ツールディスク派だったので、グラフサウルスの操作がいまだによく分かりませぬ。
これ以後はGS.COMを実行するだけでグラフサウルスが動作します(マスターディスクは必要ありません)。
以上です。
皆様の1チップMSXライフが豊かになりますように!
補足事項
・グラフサウルス2.1のインターレスモード対応版(ユーティリティディスクに収録)は、プロテクトがかかっていないのでDisk-Managerで読み込んでからSDカードにコピーすれば、EP.COMによる仮想FD機能で動作させることができます。
・というか、プロテクトがかかっていなければDisk-Managerで読み込んだディスクイメージはいくらでもSD上から実行できます。市販ソフトは軒並みプロテクトがかかっているためほとんど無理ですが、代表的なところでMSX・FAN付録ディスクはノンプロテクトなので問題なく実行できます。
・プロテクトがかかっているソフトをそのまま実行した場合、ほとんどは単に動かないだけですが、稀に製作者の仕込んだメッセージなどが現れることがあります。
これは日本テレネットの「XZR(エグザイル)II」を単純にコピーした時の画面。オープニングの後ゲームを始めようとするとこの画面が…。
「XZRIIをお買い上げ頂きまして誠にありがとうこざいます.しかしあなたは本当はコピーしたでしょう!コピーはしないでくださいね.」変なBGMも流れます。
ちなみに上の方で「グラフサウルスとは違うディスクを読んでいるので…」という部分、実はコレです。
念のため、自分の持っているソフト以外はコピーしないでくださいね。
この他、「サーク・ガゼルの塔」のように一見正常ですが、普通なら開くはずの扉が開かなくなり、全く進めなくなるようなトラップが発動することもあります。
・「MSXマガジン永久保存版」のCD−ROMにグラフサウルス2.0が収録されていますが、あちらから取り出して1チップMSXで動作させることも(たぶん)可能です。
現在具体的な方法を調査中です。
→できました(2006/12/18)。思った方法で一発で落せました。要望があれば記事を書いて公開しますので、トップページのメールアドレスから連絡下さいませ。