MSXゲームリーダー・動作検証ページ

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2004/04/01 開設にあたって

皆様こんにちは。このページは、公式MSXエミュレータである「MSXPLAYer」と、その対応機器「MSXゲームリーダー」の動作検証を目的としたページです。

既に修正パッチが発表されていますが、本ページでは「MSXゲームリーダー」に付属するCD−ROM内に収められたMSXPLAYerでのみ検証を行っております。外部からバージョン確認する方法がないための判断です。ご了承願います。

割と動きそうにないソフトのみ集中してチェックしているので、かなり偏っているのもご了承下さい。

2004/5/18追加

天使たちの午後、フライト・デッキ、デーモンクリスタル

天使たちの午後…正常動作

動作しないという報告がGIGAMIX掲示板にあったので確認してみた。
知る人ぞ知る、アニメ調PCアダルトゲームのヒット作、のMSX移植版。パソコン上でアニメ調のポルノ画像が出てくるということ自体が20年前は衝撃的だった。

MSX2じゃなくて1に移植したというのが凄い。そしてメガロムではなく32KBのロムというのも凄い。そしてそのデキも凄い。元となったPC−8801版を知らないので何とも言えないが、展開が適当なのを通り越して豪快ですらある。


タイトル画面。これがオトすべき女「ゆみこ」。しかし彼女までの道程は果てし無く遠い。というより、難解極まるMSX版を解いた人の話を聞いたことがない。88版の攻略はインターネットを探せば見つかるが、MSX版の前には無力である。

MSX版は「88版を元にして作った」とマニュアルにある通り、ダイジェスト版みたいな存在なのだ。そしてグラフィックも一色の線画である。申し訳のように一枚ごとに地の色が変わるのが物悲しい。


さて本編。

「がっこう」と「いえ」の往復を繰り返すと自宅に電話がかかってきて、この「くみ」がいきなり「わたしのこと、もうすきではないの?」とか言ってくる。「わかれる くみ」でOKなのだが、一体誰なんだか分からないままだ。


「わかれる くみ」と打ち込んだ瞬間、ボートに乗っている。またしても知らない女「ようこ」と「デートをしています」って何だそれは!

とまあこんな感じでこの主人公は時間と空間を無視して女のところを渡り歩くのだった。ちなみにこの画面を抜けるには「いく きしべ」(分かるかこんなの)。

ちなみに88版は全員の女の子を「おかす」できたが、MSX版は事実上ヒロインだけである、らしい。らしいというのはまだ会ってもいないからだ。誰かディスコへ行く方法を教えてください。

デーモンクリスタル…正常動作

「天使たちの午後」の隣にあったので確認。元はMZ−1500版で、このMSX版パッケージには「T.TABETA」と書かれている。あまり知られていないが、これはセガサターンの「センチメンタルグラフィティ」のプロデューサー、多部田俊雄氏のことである。

この人は電波新聞社の「マイコンBASICマガジン」誌にも投稿しており、「究極のキャラクターエディターMOKO」は特によく知られていた。MSX・FAN誌などで「多色刷り」と呼ばれていたMSX特有のグラフィックモード用のツールである。


タイトル画面。

シリーズには続編「ナイザー」「ダークストーム(MSX版未発売)」もあり、それなりに人気はあったようだ。



ゲーム画面。サイドビューなので分かりにくいが、このゲームは「ドルアーガの塔」によく似ている(アイテムの出し方が難解であるとか)。

そのこと自体はマニュアルにも書かれているのだが、このゲームは操作性が悪い。MSX版がそうだというのではなく他機種に忠実に作った結果のようである。ドルアーガと比べて面白いか、と言われると…。


フライト・デッキ…正常動作

「デーモンクリスタル」の隣にあったので、さらについでで確認。
とはいえそれなりに根拠はあり、ROMゲームだが48KBを使用しているので確認の意義はある。ページ0を占有するROMは珍しいのだ。

これは海外で開発された作品をそのまま持ってきたもので、このページの「エイリアン8」や「ダムバスター」と同様のローカライズ作品である。発売元はポニーキャニオン。日本では他に「ドーンパトロール」も発売されている。

そういえば、オランダ語版のパッケージはフロッピーディスクだった。

タイトル画面…というか、コントローラ選択画面。凄い色合いなので変なのかと思ったが、実機でもこの色合いだった。


デモ画面。割と絵はキレイ。ただ、ゲームは物凄く難しい。というよりワケがわからない。空母自体の操艦や偵察機の操縦はともかく、エレベータから飛行機を牽引するトラクターまで自分で運転するのだ!

この「何もかも一人でやんなきゃいけない」というのは、ダムバスターでもあったなあ。なんでも自分でやらないと気が済まないのだろうか。

甲板の右の方にある赤いのがトラクター、青いのが飛行機。カタパルトまで引っ張ってきたところ。しかしいくらマニュアルを読んでも離陸ができん!「青と赤のゲージを揃える」とあるのだが、どう操作すると揃うのか分からないのだ…。

島に潜むテロリストを叩くゲームらしいのだが、いまだに偵察機すら飛ばせません。今回はマトモに遊んでないゲームばっかりだなあ。すまぬ。


2004/5/1版

沙羅曼蛇、A LIFE M36 PLANET

沙羅曼蛇…正常動作

コナミのMSX版グラディウスシリーズの中で最も評判の悪い作品。ゲームの凶悪な難しさもさることながら、前作「グラディウス2」のROMを持っていないと真のエンディングが見られないというムチャクチャな仕様によるところが大きい。

ただ今になって思うと、本作を買うような人はほとんどが既にグラ2を持っていたので、実際は問題じゃなかったような気がしなくもない。

しかしMSXPLAYerでは「ゲームリーダーを2台持っていないといけない」という点で大問題である。なぜか今は2台あるので、誰も検証していないこの問題を確認しようではないか!



タイトル画面。「グラディウス2」のROMは既にスロット2をスイッチで指定したゲームリーダーに差し込んでいる。実機でもあった問題だが、本当にグラ2が認識されているかどうかはずっと先にならないと分からない。あらかじめグラ2だけで立ち上がることも確認しておこう。


何年ぶりかで挑戦してみたが、やっぱり難しい。とはいえ、かつて一般に言われように「一度やられると(パワーアップが無くなるため)絶対にクリア不可能」ではなく、努力次第でなんとか復帰できる程度のバランスは保たれている。

でもフルパワーの状態でやられてしまうと非常にヘコむ。一度慣れると貧乏でもやっていけるんだけど。


ある地点に行くと唐突に左のメッセージが表示されて「CRYSTAL・BREEZE」をゲット!この画面は「グラディウス2」がないと見られないので、正しく動いていることになる。

ちなみにこの画面、一度やられた後も同じ地点に行くと毎回表示されて、ウザったいことこの上ない。



さらに進んでヴェノム艦内に侵入。ここも「グラディウス2」がないと出て来ない、というかグラ2カートリッジ内のデータを使用しているので、「沙羅曼蛇」単体では存在すらしていないのである。実験は成功した!

この調子でエンディングまで見ちゃおうかな、と思って調子に乗っていたらヴェノム艦最後のコイツにどうしても勝てず、挫折。もう記憶にないんだけど、これってグラディウス2にはいなかったような…。でも昔は勝てたはずなんだけど…。もうダメですお母さん。


PLAYerの不具合ではないと思うが、ヴェノム艦の後半で死んで復活した時に左のようにシャッターがズレてしまう現象を確認した(おぼろげな記憶では、これは実機でもよく起こった)。一応正常としておこう。



A LIFE M36 PLANET…正常動作

「サンダーボルト」で悪評フンプンだった(株)ピクセルの末期の作品。確か「生命惑星M36 〜生きていたマザーブレイン〜」という名前で雑誌に載っていたはずなのだけれど、パッケージにも説明書にもその日本語題は見当たらない。一応英文を正式タイトルとみなそう。

それにしても味のありすぎるパッケージアートだ。


タイトル画面。任天堂の「メトロイド」に影響を受けた、この時期よくあったRPG風味のSFゲーム。同社の「ゼータ2000」「サンダーボルト」の他、「クロスブレイム(dB−SOFT)」や「機動惑星スティルス(HAL研究所)」などと同列の作品である。



ゲーム画面、まあ見てのとおり。奥は深そうなのだが、すぐ死ぬのでマトモに検証できません。ちなみにパッケージの「SIM」というのはピクセルの新ブランド(と書いてある)だが、確かこれが最後の作品になってしまったような気がする。



2004/4/27版

ダムバスター

ダムバスター…正常動作

コンプティークブランドのMSXソフトの中では今でも中古でよく見かけるゲーム。他のタイトル、例えば「オイルズ・ウェル」や「グロッグズ・リベンジ」はさほど売れなかったらしい。

発売元のコンプティークというのは、今も角川書店から出ているギャルゲー雑誌「コンプティーク」の母体であったところである。
元は海外ゲームの販売代理店で、そこが同名の販促雑誌「コンプティーク」を作ったのが始まりらしい。(ただこの話は又聞きなので本当かどうかはちょっと怪しい)

それにしてもこのゲームは売ることをまるで考えていない。例によってパッケージはビニールのシワがきついが、プロペラ4発の爆撃機がダムを爆撃している絵が描かれている。しかしそれ以上の情報がない

タイトル画面。マニュアルには「ライセンス表示」とある通り、権利の主張に全てが費やされていて、ゲームの内容は全く分からない。

さて、MSXAに対して「ここで暴走した」という報告があったのだが、彼はマニュアルを持っていなかったのだろう。「7」キーを押すとゲーム開始なのだ。どうしてそんなキーバインドなのかは俺に聞くな。



ゲームを開始すると突然飛行機の中に放り込まれる。それも離陸もなしにいきなり飛んでいる。ここは操縦席で、他に前方/後方銃座、爆撃照準、地図(航法)、機関室の各画面に切り換えられる。が、テキトーに飛んでいるといきなり墜落する

なんせランカスター爆撃機は7人のクルーがいるのに、それを一人でこなすんだから大変に決まっている。その前に自分が乗っているのがランカスターであることすら分からないままに死んだ人のほうが多いはずだ。



航法画面。このゲームは、第二次世界大戦のイギリス軍によるドイツのダム爆撃のシミュレータなのだ。だから「ダムバスター」なのである。

1943年、英軍はドイツ工業の生産能力を落とすために発電用ダム破壊専用のローリング爆弾を開発し、ランカスター爆撃機に積んで複数のダムの破壊に成功した。これはちょっと前に売れた本「田宮模型の仕事」にちょっと書いてあるメーネ・ダムが一番有名である。

問題はそんなことパッケージにも説明書にも全然書いてなくて、わずかにローリング爆弾と爆撃機の絵が載ってるだけということだろう。

当時としてはかなり本格的なシミュレータであったのだが、英国では有名なダムバスターも日本では知名度が今二つ。しかもパッケージにも何もフォローなし、というよりまるでやる気がない。これが「チャスタライズ作戦」のシミュレータであることなんて、パッケージの絵でピンと来るくらいでないと分かりっこない。まさに持ってきて売っただけ。当時も今もこのゲームが何なのか理解できた人はほとんどいないだろう。マニュアルを持っててもまず分からないのに裸ROMなんかじゃ死んでも無理

このようにやる気のなかったゲーム販売は当然のようにすぐ潰れたのに、なぜかギャルゲー雑誌のほうだけが今に至るも残っている。これはこれで奇跡だ。

2004/04/25版

怒、殺人倶楽部

…正常動作

今は亡きSNK唯一のMSXソフト。「メタルギア」がスプライトの少なさを逆手に取って「隠れるゲーム」を作ったのは有名だが、こちらは暴力的な仕様によって弾と敵の嵐を実現!その努力の甲斐あって恐ろしく大味なゲームに仕上がっているが、それもまたよしホトトギス。アーケード版の開発者が直々に移植した上に残虐度をパワーアップしたという、ツウ好みの逸品です。


この時期としては珍しい2MbitROMを採用。タイトル画面もこの通り美麗。ゲーム開始を促すのに「PLEASE」をつけているのも珍しい。だからどうってわけでもないが。ここでは見えないが、カートリッジのケースの形が他社に見られない独特なものだ。SNKは他にもMSXタイトルを作る気があったのだろうか。



ゲーム画面。血まみれの死体が画面に残る!しかも水中だと白目を剥く!敵キャラクターをビットマップで、自機、弾、爆風のみをスプライトで描くことによって弾も敵もバリバリ動く。もちろん操作性は悲惨なくらいに犠牲になっているが、そんなの死んだヤツの数に比べれば問題じゃないぜ!
誰かが言っていた「殺しまくり死にまくり」という形容は素晴らしい。



本ページの趣旨からは外れるが、マニュアルの隅にあったカット。ウハハハって、貴方。誰だこんな絵を描いたのは。私だったらこんなイラストレーターは即刻病院送りにします。ある意味このゲームの内容を極めて的確に捉えた絵ではある。


殺人倶楽部…正常動作

リバーヒルソフトの名作AVGシリーズ、J.Bハロルドシリーズ第一弾。でもMSX2だと「マンハッタン・レクイエム」より後に出たのでありました。そちらは本家リバーヒルソフトから発売されたのに第一作の移植はなぜかマイクロキャビン。ディスク版とROM版がそれぞれ発売されたうちのROM版。



初登場が死体という本作のガイシャ、ビル・ロビンズ。凄い形相のようでいて、あらためてジッと見ていると何故か笑いがこみあげてくる。こいつの事件は後のシリーズでも時々蒸し返される。


タイトル画面。「Final Mystery」なのに後にシリーズ展開していったのはファイナルファンタジーみたいである。ところでこのアンヨは誰のものなのかはゲームを終えても分からない。それどころか20年近く経った今も分からない。まさかこれが最後のミステリーか!


キャサリン。本作では「ほほえんで」いるだけで、ほぼ何の役にも立たない女。シリーズ通して出演するものの常にチョイ役で、本当に刑事なんだかすら疑わしい。ずっと後のWindows95とほぼ同時に発売された「ブルー・シカゴ・ブルース」で(やっと)J.B.とイイ仲になったのもつかの間、サックリと殺されてしまう。ここまで悲惨なヒロインもそうはいまい。

「殺人倶楽部」ROM版はセーブをPACとテープにしかできないので、ゲームリーダーではとても遊べたもんじゃないが、それは仕様なので仕方がない。


2004/04/02版

R・TYPE、ヤシャ、エイリアン8、ミクとしおりのニャンニャンプロレス、死霊戦線

R・TYPE…正常動作(実機由来の問題あり)

アイレムの名作アーケードゲーム「R・TYPE」を、誰もが不可能と思われたMSX1に移植!誰もが不可能と思ったのはやはり間違いではなく、人々の目の前に現れたのは「R・TYPEもどき」であった…。

画像に変なシワが寄っているのはパッケージ表面のビニールの経年劣化によるもの…というより、スキャンの手抜きのせい。3Mbitという変則的なROM容量もあって検証。


タイトル画面。とりあえずそれっぽく動く。


一応動く。デキが悪いのは元々だ。

予想されたことだが、FM音源対応なのにPSGでしか鳴らない。実機でもスロット2にFM−PACが差さっていないとFMの音楽が鳴らない不具合があった。一部で「スロット2しか見てないのでは?」と言われるが、単純な資料の勘違いなのではなく、かなりアクロバティックなことをしているという。スロット2のFM−PACが見つかるのもほとんど偶然らしい。


ヤシャ…異常動作

ウルフチーム独立第一作にして問題作。なぜかと言うと解いた人の話を一度も聞いたことがないからだ。ウルフは元々日本テレネット内の開発チームで、「夢幻戦士ヴァリス」などを制作していた。あまり知られていないが、91年頃にまたテレネットに戻って(吸収)いる。

しかしテレネットもウルフも元が同じだけに作風はソックリだ。それは「ゲームはつまんないがビジュアルと音楽はイイ!」というもの。たまに面白いゲームがあったら、それは持ち込み作品だったという伝説があるくらいである。

このMSX2版のメガロム版「ヤシャ」はFD版の後に発売された。理由は分からないが、ディスクアクセスが遅すぎたのが一つの理由らしい。

タイトル画面。「音楽とビジュアルのウルフ」だけあって、PSGのみながらなかなか綺麗な音を聴かせてくれる。

だがそれこそウルフチームの思うツボだ。これ以上MSXが嫌いになりたくなかったら、この先に進まないようにしよう!


しかし奇跡は起こった!なんとメニューからコマンドを選ぶと止まってしまうのである。これはゲームリーダー開発陣の好意か?

というのは冗談で、このゲームは元々MSX2+以降だと動かないのである。メガロムの場合MSXturboR相当で起動するので、止まってしまうというわけだ。

「実機由来の問題」とも言えるが、動かないモンは動かないので異常としておいた。もっとも、動いたところで面白くもなんともない作品であることもまた事実だ。合掌。

エイリアン8…正常動作

スクウェア暗黒歴史の1ページ「エイリアン2」とは関係ない。ついでに富沢ひとしの漫画「エイリアン9」とも関係ない。ジャレコが発売していた洋モノゲームのローカライズ版である。正確にはゲームは英語オンリーなので、今で言う「日本語マニュアルつき」に近い。

MSXでは困難な3D視点が特徴的な作品だが、同じくジャレコから出ていた「ナイトロアー」「ナイトシェード」「ガンフライト」がどれもなんとなく似ているせいで却って評判を落とした感が強い。開発元が同じ描画エンジンを使い回して作ったからだろう。このゲームは最後発のせいで一連の作品の中では一番マイナーである。


タイトル画面。ぶっきらぼうにも程があるが、やはり洋ゲーだからか。


噂の3D視点。操作に慣れるまでが大変だ。慣れても意地悪なトラップのせいでやっぱり大変である。

ゲームそのものは「ザ・キャッスル」を3Dにしたような感じ。アイテムを踏み台にするなどしてマップを切り抜けていく。だが、視点のせいで高低差がやたら分かりにくい。


ゲームオーバー。破壊された24基の人工冬眠システムを修理するのが目的だが、操作に戸惑っているうちに全滅してしまった。「POOR」の評価が痛い。

ミクとしおりのニャンニャンプロレス…正常動作

ビクター音産からの発売。「クロスメディアソフト」というのはブランド名である。日本初の女子プロレスを扱った作品、を自称している。他に女子プロを扱った作品というと「レッスルエンジェルス」にしろ「キューティ鈴木のリングサイドエンジェル」にしろ全部90年代以降のものばかりであるから、1986年当時としては先進的だったのかもしれない。

80年代だとセガ・マークIIIに「ダンプ松本」というのがあるが、あれは女子プロレスとはかなり違うような気がする。

こんな恥ずかしいソフトはこんな所でもないとレビューのしようがないので、なんとなく抜擢。

タイトル画面。なんせ「ニャンニャン」で「プロレス」である。ハートマークの使い方がまたなんともはや。それにしても、この時代における女子プロレスというのはどういう目で見られていたのだろうか。

長与千種とライオネス飛鳥の「クラッシュギャルズ」、ジャッキー佐藤とマキ上田の「ビューティ・ペア」(これは古すぎ)の頃はほとんどアイドル扱いで、レコードもよく売れていたようだが、今となっては知る人も少ないようだ。


というわけでキャラクター選択。左の二人がミクとしおり、右がペガサスとダイナマイト・キッド。箱の裏によると「ナンパ感覚で女の子をセレクト」とある。「個性の違う4人のギャルの中から」とある通り、一応右の二人も女である。とりあえずミクとしおりをセレクト。ナンパ感覚だったのかどうか、よく分からない。


なぜか体育館でタッグマッチ。バスケットコートだろうか。こんなところで投げ技を使ったら死んでしまいそうだが、我等がミクはキッドに対して髪の毛投げ!

タッチのスキを狙って投げるのが割と有効。いいのか、そんなんで。
ともかくも無事に動作。


死霊戦線…正常動作

これもビクター音産発売。開発はファンプロジェクトという謎のチーム。これを含めてMSXでは4作しか出していない。これは3作目に当たる。

かなり粗削りだが、それがホラー的雰囲気を盛り上げているRPGの名作。メガロム+SRAMの構成でたまたま近くにあったので検証。


タイトル画面。この頃はファンタジー作品ばっかりだった頃なので、このゲームの舞台設定などは異色なものだった。特にお子さま向けと言われていたMSXで出たもんだから余計にインパクトは大きく、ログインなどでも大きく扱われていた記憶がある。

PSGのバリバリ言う音楽が怖い。



スタート直後。ブロック単位でスクロールするため見た目は非常に荒い。目的はここチャニーズ・ヒルの異変を解明すること。異変によりこの世のものとは思えない生き物が溢れ、人々も多くがゾンビとなってしまった。要するに「バイオハザード」みたいな世界である。



建物の中に入ると生存者がいる場合がある。彼らとの会話がゲーム進行のメインとなる。

右が主人公のライラ。女の子が主人公なのも珍しかった時代である。「特殊部隊の若手隊員」という設定がまたマニアのツボを突いたらしく、今でも一部にファンを持つ。

ちょっと分かりづらいが、人物の肌の影に灰色を使っているのが印象的だ。

戦闘画面。さっそく死んでるが。

MSXPLAYerから、カートリッジ内蔵SRAMに対するセーブ・ロードも問題なく行える。



2004/04/01版

3Dゴルフシミュレーション・高速版、キュースター、ギャラクシアン、ボスコニアン、トップローラー、スキーコマンド、キャプテンシェフ、はーりぃふぉっくす雪の魔王編、スーパーロードランナー

3Dゴルフシミュレーション・高速版…正常動作

T&ESOFT開発、東芝発売。今でこそ3Dは当たり前だが、この頃(1984〜5年)はCPUが遅かったので3D表示はとてもとても大変だったのである。タイトルロゴも堂々たる金文字だ。

「高速版」とは当初発売されたバージョンが死ぬほど遅かったために後から発売された新バージョンであることを示している。それでもボールを打ってから静止まで20秒(1番ウッドの場合)、視点の移動に10秒くらいかかる。


タイトル画面。男らしい画面だ。

ここには書かれていないが、「高速版」は速くなっただけで、コース追加などのオマケは一切無い。男らしい仕様だ。


ゲーム画面。特にOBがゴルフ場とは思えない色合いなのは、別に「血の池カントリークラブ」などではなく、作り手のセンスによるものだ。理解不能だが。

ボールがたくさん表示されているのは、あまりに遅いため見失わないようにした配慮と思われる。

ただ「方角を決めてボールを打つ」という基本システムは今とあまり変わらない。ゴルフゲームは割と早い時期にシステムが完成していたのである。


グリーン。パー4のところを7打叩いてしまった。力加減が難しい。

しかし紅色…当時のPC業界では印刷用語に準じてマゼンタと言ったが、こんな色のラフというのはどういうセンスなのだろう。


キュースター…正常動作

HAL研究所の「マスターシリーズ」と銘打たれた教育ソフトのうちの一本。シリーズには「バラン数」「カラ丸珍道中」「泳いでタンゴ」がある。MSXゲームリーダーで動作しないという噂があったので検証した。

ちなみに、このソフトはMSX2以降で動作しない。MSX1の頃は仕様を守っていなくても動いたものが、MSX2になると顕在化して動作しなくなるケースが多発した。そのへんからゲームリーダーでは動作不可と推測されたのだろうが、MSXゲームリーダーでは「メガロムでない場合MSX1相当で起動する」という仕様によって回避しているのだ。


ほーら動いた。

余談だが、このソフトは未開封の状態で手に入れて手持ちのturboRだと上記の理由で動作しなかった。ということは、始めて動いたのがWindows上ということになる。まるで人さらいがサーカスに売り飛ばした少女のデビューを見守るような心境である(どんなだ)。

この「マスターシリーズ」はそのいずれもが教育ソフトとは思えない突飛な設定を持っている。特にこの「キュースター」のストーリーを要約するとはこんなんである。

西暦2500年、ハチャメチャ星雲…そこに浮かぶ立方体の星「キュースター」は漢字合わせの難問を出してくることで知られ、地球連合大学から4人のエリートが挑戦することになった。

命をかけてクイズに挑戦するバカ4人、といった風情だ。うっかりこんなソフトで漢字を覚えた子供は今も元気だろうか。

ギャラクシアン…正常動作

ナムコの名作ギャラクシアン。箱がないのでいきなりタイトル画面から。

インベーダーゲームの亜流ではあるが、「敵が自機に対して近接攻撃を仕掛ける」という一点で独自のオリジナリティを出した一作。MSX版は「キュースター」と同様の理由により、MSX2以降で動作しない。

無事動作。ちなみにこのゲーム、ROM容量がたったの8KBしかない。これがいかに少ないか実感として捉えるのは難しいだろうが、左の画像一枚が18KBである。8KBのゲームから18KBの画像が生まれる、考えてみると何だか不思議だ。


ボスコニアン…タイトル以外正常動作

ナムコの名作ボスコニアン。これも箱がないのでいきなりタイトル画面。ロゴの色がツートンになっており、ヘンだ。確か赤一色になったはず。それ以外はちゃんと動く。

「BLAST OFF!」もちゃんとしゃべる。「ぶぉぉぉとうぉぉぉ」とか聞こえるかもしれないが、実機でもそうなので問題ない。

滑らか(当時)スクロールも再現。ゲームのアイデア自体もいいし、MSXへの移植もよろしい。ナムコのゲームセンターシリーズの名作。

トップローラー…異常動作

ジャレコのアーケードゲームの移植…らしいのだが、アーケード界でもマイナーゲームらしく詳細は全く不明。移植されたのもMSXくらいのものだろう。MSX2以降で動作しない。

「君は愉快なトップローラー!」とか「群がる敵をぶっとばせ!」とか、箱の裏のアオリ文句が意味不明である。ローラースケートのゲームらしいのだけれど、マニュアルの最後にある「ヘリコプターの爆撃には気をつけろ!」の一文を見ると何もかもに不安を感じるようになる。これはある種の芸術であろうか。

タイトル画面…字が出ていない。下の方にあるのはコピーライトのマーク。これも「キュースター」同様に未開封だったためPLAYerが初舞台となったのだが、デビュー直後なのにセリフを忘れた役者のようである。人さらいのオジサンとしては辛い。

どうもフォントの設定をしくじっているようである。一応ゲームは動く。

水に落ちて1ミス。右上にいるピンクの物体が、噂の攻撃ヘリである。

動作上は残念な結果になったとはいえ、字が出たくらいでこのアナーキーな世界観が覆ることは決してないだろう。

スキーコマンド…正常動作

元はPV−1000という自社独自仕様のゲーム機の対応ソフトだったものをMSXに移植したもの。割とバランスの取れた良作(カシオにしては)。

一応実機でもゲームそのものは動くのだが、MSX2以降だとゲームオーバーになった時に止まってしまう。ゲームリーダーではMSX1として動くためにちゃんとタイトル画面に戻るのだ。

タイトル画面。なぜかゲーム名より自社名のほうの主張が上に来ている。

鉄砲一丁抱えてスキーに乗り突撃、敵基地を粉砕せよ!というちょっと凄い設定。スノーモービルが体当たりをかけてくるなどこの当時としては映画的なもので、かなり斬新だったと言える。何か元ネタでもあったのだろうか。

左上から崖に飛び出した後、クルっと回ってパラシュートを開いて壁面の大砲群?を銃撃。「ナバロンの要塞」を思わせる大胆な設定だが、BGMとパラシュートのビジュアルが妙に可愛らしい。

相手は攻撃してこないボーナスステージなのだが、3基とも破壊するのはかなり難しい。

キャプテンシェフ…ほぼ正常

日本コロムビア発売のアクションゲーム。これまた箱がないのでタイトル画面。「COLPAX」の下に変な緑の四角が出ている。どうやらスプライトのゴミのようである。

Baboo!の創始者、幕田さんの心のゲームとしてかつて紹介されていた一本。シェフが中央のブタを生きたまま焼き上げるという、今なら間違いなく動物愛護団体からクレームの来そうな内容である。

で、例のゴミスプライトは出たままである。

焼き上がり。シェフは休む間もなく次の面に行き、ブタがお客に食されるのを見ることはない。プロフェッショナルの悲哀を感じる。

で、例のゴミスプライトはやっぱり出たままである。

全く動作しなかったソフト
はーりぃふぉっくす・雪の魔王編…マイクロキャビンのAVG。これはMSX2以降でも動くが、ゲームリーダーでは動作しなかった。

スーパーロードランナー…アイレム発売。元々MSX2でしか動かない(2+以降不可)上、特殊なメガロムコントローラーを使用しているためであろう。

とりあえず以上です。今後も随時追加していきます。