■クリスのママ、子役時代の、三兄弟を語る!<↓に、美少年クリスの写真リンクありますよん!>

インタビュー 「少年三銃士」by マリアン・ヘルマン 1956年4月

"私たち、子供たちがこうなるなんて全然計画していなかったのよ。ただ偶然が重なって、自然になる様になっただけなの。これまでずっと素晴らしい体験をしてきたし、毎日本当に楽しく生活をしてるの"自分は普通の主婦でいながら、三人の息子、現在16歳のケン、12歳のロニー、9歳のグレンに自らの決断で俳優の道に進ませた、ポール・ウォーケン夫人は語る。そしてその楽しい生活という言葉には彼女自身も、子供同様十分に味わってきたという意味が含まれている。彼女は、誰にでも自分はずっと舞台女優になりたかったの、と芸能にかかわることが自分の夢だったことを隠さない。(彼女の母親もプロのダンサーだった)ただ実際に自分がそうなるには情熱が足り無すぎたと思っている。現在はそれぞれ人気者に成長した三人の少年俳優の栄光の陰に隠れながら、彼女もまた目一杯そのおこぼれを味わっている状態だ。

勿論それだけが、ウォーケン三兄弟が役者の道に進んだ理由ではない。きっかけは、ケンが8歳の時で、ウォーケン・ママがベイサイドの家からニューヨークに出て、息子をコノーヴァー・モデル・エージェンシーに登録したことからはじまる。ケンの仕事振りは評判が良く、ケン自身も楽しんでいた様だった。ママはもしケンが少しでも仕事を嫌がるそぶりをすれば、すぐにでも止めさせるつもりでいた。ケンの仕事振りは順調で、その後当然の様にロニーとグレンもモデル業に加わった。言ってみれば長男の成功がそのまま下の二人の弟のキャリアにつながったことになる。ケンはコノーヴァーの仕事と平行して、有名なベビー写真専門のカメラマン、コンスタンス・バニスターの被写体となることが多くなり、大物ビジネスマンを皮肉るベビーといった構図の彼女の有名な赤ちゃん写真コレクションはたちまちのうちに全米の人気をさらった。

それと同時にロニーとグレンもお兄ちゃんの敷いたレイルをたどって、モデル業からラジオ、テレビの仕事に進出していき、特にお金の稼げるコマーシャルの仕事が次から次へと入ってきた。そしてグレンが5歳の時、テレビの「チャンス・オブ・ライフタイム」というクイズ番組のコマーシャルの仕事のオーディションが来た。が、同時にオーディションに招かれた子供達の中には、お兄ちゃんのロニーもいたのだ。子供たちが一人一人降ろされてゆき、とうぜん二人のウォーケン兄弟のうちのどちらかが選ばれ、どちらかが落とされる結果が予想された。ママ・ウォーケンは、はじめてこの事態にぶちあたりうろたえた。もし落ちたら、どういったリアクションをするんだろう。二人が喧嘩をはじめたり、嫉妬しあったりしたらどうしよう?

結果的に彼女の心配は杞憂に終わった。番組ディレクターが二人とも気に入ったが、最終的に残ったのはグレンだった。ロニーはそのCMにはちょっと歳をとりすぎ、背も高すぎた。「ロニーは怒ってました?」「全然」とママ・ウォーケンは微笑んで答えてくれた。「それどころが、もう既に何本かコマーシャルの仕事をしていたロニーは、すっかり先輩きどりで、グレンが最初の難関を苦労せずに越えられる様なんでもしてあげてたの。実をいうとそれ以来、ロニーはずっとその調子でグレンを助けてあげてるのよ」

「年齢差があるのにもかかわらず、グレンとロニーの声はとても似ていたの。それでつい最近、"ワールド・オブ・ミスター・スィーニー"という番組が西海岸に移った時、グレンがニューヨーク版スィーニーの役を貰い、同時にラジオの「ガイディング・ライト」でマイク・バウアーの少年時代の役を貰った時、TVのスィーニーは外見の面で無理だったけど、ラジオではしばしば、ロニーがグレンに替わって声を吹き変えていたの。同時にロニーはグレンに演技コーチをして、TV版「ガイディング・ライト」の自分の役のスタンド・インがグレンにも出来る様にしていたのよ。ロニーは自分の生徒の出来の良さに自慢たらたらだったわよ」

こうした兄弟同士がそれぞれの役を交代で演じるシステムは、かなり長い間続いていた。二年前の夏、ロニーは「神の世界の探検」というTV番組に13週間出演する契約を結んだが、他の仕事があってそれにロニーが出られない時はグレンがいつも代役を務めたのだ。

グレンは子供時代から驚くほど利発な子供で、いつでもモデル時代の自分に戻ることが出来た。「彼は常に自分が何をすべきかを瞬間的に心得ていたわ」と母親は言う。カメラマンがこういうポーズをして、と言う前にグレンは直感的にどうすべきかを理解し、ポケットに手を入れたり、手袋をはめたりと要求される通りのポーズをしてみせたのよ」

グレンがテレビとラジオの世界へ行っても、この才能が非常に役に立ったし、またその記憶力の良さも際立っていた。彼は自分のセリフを瞬間的に覚えるだけでなく、リハーサルが終わることには、出演者全員のセリフをほとんど記憶していたものだ。

「まぁ3人とも記憶力はとてもよかったわ。毎晩夜に皆で台本を読みあうんだけど、三人とも熱心にお互いを助け合い、批評しあって、悪い所を指摘しても素直に受け入れて直す様にしていたの。3人とも素晴らしい俳優魂を持っていたと思うわ」

この普通では滅多に見られない、ウォーケン魂は、TVのネットワークのキャスティング部の話題となった。つまり、3人の内の誰か一人にオーディションの声がかかると、たとえ、その役には大きすぎたり、小さすぎたりしても、他に二人の兄弟がいることを知らされることになったのだ。「あのぉ僕には兄(弟)もいるんですが〜」

そこで長男のケンは二人の弟をプロモートする役目をになうことになった。このことが直接の引金になったかどうかは確かではないが、ケンの今の目標は、大学を卒業したら、俳優ではなく、監督かプロデューサー業に進出したいと考えている。いずれにしても、彼はその前に俳優として、出来うる限りあらゆる場面での経験を積んで行くつもりでいる。そこでここ何年かの夏休みには、ウッドストックとアトランティック・シティでサマー・ストック劇団に加わって舞台巡業の経験を積んでいる。またブロードウェイでは「クライメイト・オブ・エデン」と「アニバーサリー・ワルツ」の舞台にも出演した。TVの出演では他の俳優が羨ましさに唇をかむ様な人気番組が目白押しだ。すなわち「スタジオ・ワン」「クラフト・シアター」「ユア・ショー・オブ・ショーズ」「ママ」「ジャッキー・グリースン・ショー」「トレジャリー・メン・イン・アクション」などなど。

この兄のすぐ後ろには、ロニーとグレンが控えている。二人ともしばしば兄と同じショーに出ている他、ジュディ・ホリディ、アルド・レイ主演の映画「マリーイング・カインド」に出演している他、三兄弟の内で、唯一歌って踊れるミュージカル俳優であるロニーはブロードウェイの「蝶々夫人」に出演している。

この年頃の活発で、遊び好きの男の子を持った親には、この三人の仕事の量に驚かれるかもしれない。しかしウォーケン三兄弟にとっては、それは野球で遊んでいるのと同じことなのだ。学校に通う。ま、それは又、ちょっと話が別だが。ケンとロニーはニューヨークのプロフェッショナル・チルドレン・スクールに入学して、テレビやラジオの仕事が無い時は、月曜から金曜の10時から2時15分か30分まで毎日学校に通っている。グレンは「ガイディング・ライト」の仕事があるので、個人教授について仕事が終わった後に学校の勉強をしている。

ママ・ウォーケンは多くの人にしょっちゅう息子たちが、不規則な生活をして、普通の子供の様に自由に成長期を味わえないことについてどう思うかと聞かれている。しかし実際のところ、3人にはかなり規則的な生活を送らせているのだ。ママ・ウォーケンの性質の中には母親であると同時に、秘書でありマネージャーでもある素質が備わっていて、つねに三人が普通の男の子の暮らしを味わえる様気を配っている。

すなわち彼ら三人は普通の男の様に家の周りの仕事をする分担を与えられている。グレンは毎年秋には、家の周りの落ち葉を掃いて、映画を見るためのお小遣いを稼いでいる。それ以外の季節には、ガレージと車寄せの周りの掃除をして、お駄賃を貰っている。ロニーは毎週土曜日の朝には、近所の芝生をまるで宗教的行事の様に真面目に刈りあげ、その都度65セントを稼いでいる。

また近所の少年達と同様、この三兄弟もペットを飼っている。血統が不明のブロンディとペニーという犬が二匹と猫が一匹だ。またそれぞれの宝物コレクションも持っている。ケンは外国のコインを集めるのが趣味で、ロニーはナイフを集めている。また弟二人ともボートと飛行機に夢中だ。グレンは、大きくなったら何になりたいと聞かれると、すかさず「有名俳優になって、家族にヨットを買ってあげるんだ」と答える。

ロング・アイランドのベイサイドにあるウォーケン宅には部屋が10室あり、その4階にはゲーム室がある。その中には精巧に組み立てられたおもちゃの機関車セットとロニーの実験室が置かれている。グレンの実験室用の部品は、混ざらない様地下におかれていて、二人の対抗意識が露になるのは、ほんのこの部分だとママ・ウォーケンは言う。二人はどんな実験をするか、その後片付けを誰がするかでしばしばもめたのだろう。

いずれにしても三人の少年が、仕事のために、普通の少年生活を損なうことはほとんど無いし、逆に仕事をすることで三人は多くのものを手に入れてきたと言う。三人とも、心から仕事を楽しみながら、仕事の合間合間には抜け目無く遊びの時間もしっかりあみ出してきたし、一緒に仕事をすることで、一家の誇りという気持ちが生まれ、それが三人が成長してゆく上での強力な支えになったのだった。

しかし、一家の誇りという面で、最も偉大な宣伝係を果たしているのは、言うまでも無く三人の父親、ポール・ウォーケンだろう。ポールはロング・アイランドのアストリアに自分のベイカリーを開いていた。そして毎週3回か4回は必ず店の前に「"ガイディング・ライト"(またはその他の人気番組)出演中のグレン(または、ケンあるいはロニー)をお見逃し無く!"という看板がかけられるのだった。

たとえこの三兄弟が、将来そろって俳優の道を進むのか、またはそれぞれの職業を選ぶかは分からなくても、ママ・ウォーケンは三人の中にお互いに対して素晴らしい忠誠心が育っているのを誇りにしている。すなわちあの有名な三銃士の合言葉の様に、"一人は三人のために、三人はお互いのために!"ウォーケン三兄弟こそ、まさに俳優三銃士なのだ。


1ゲーム室で。素晴らしい機関車セットを前に、グレンとロニーまたは父親の誰が一番
  優秀な機関手かを競い合っているところ
http://www.ojai.net/swanson/tvradiomag1956.htm



2.グレンの外国金貨コレクションを前に。ママはグレンが教育的で、周りが汚れない
  趣味を持っているのでいささか胸をなでおろしているところ
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3.両親、ポール、ローズと子供達。ロニー12歳 ケン16歳 グレン9歳
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4.グレンとロニーがお小遣いかせぎの手伝いをしている所を愛犬のペニーとブロンディが辛抱づよく控えているところ。
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5. ゲーム室にあるロニーの実験室で。ケンがお手伝いをしている。(グレンの実験材料は混ざらない 様地下に置かれている)
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6.メカのおもちゃを父親と一緒に楽しむ。グレンはヨットに夢中で、大きくなったら一家のためにヨットを買うんだ、が口ぐせ。
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7.遊ぶ時間も十分にある。ツリー・ハウスでのびのびと遊ぶ子供たち
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