プレイステーション用AVマルチ(RGB)端子付きテレビにMSXを接続する

(2005/02/07、旧サイトより転載。情報は今のところ当時のままです)


MSX実機を現在使う上での一つの問題が、「綺麗に映るディスプレイが無い」ということです。MSXはビデオ端子(コンポジットビデオ)を備えている普通のテレビに繋ぐことができますが、MSXは色数が少ないこともあってあまり綺麗に映りません。ゲームによっては文字も見づらく、色が滲むこともあります。「なんだ、MSXって画面が汚いのね」などと事情を知らない人に言われても、いままでは心の中でコブシを握りしめてその屈辱に耐えるしかありませんでした。

 MSX用として発売されていたディスプレイは綺麗に映りましたが、既に10年以上経過しているため、かなり暗くなっています。ゆっくりと劣化するために気付きにくいのですが、ブラウン管はその性質上使用時間に応じて必ず暗くなります。

 そして何よりも見た目が古くさい!15年、物によっては20年…歳月は残酷です。MSXの置いてある一角だけ80年代に取り残されているお宅がありますが、それはいけません。21世紀に生きるMSXユーザーたるもの、お部屋のコーディネートにも気をつけたいところ。

 前置きはさておき、MSXはRGB接続すると最高の画質が得られます。ところがMSXで一般的に使われた21pRGB端子のあるテレビは、現在は一部の高価な業務用機を除きほとんどありません。

 しかし!数年前にソニーの出しているテレビにプレイステーション用ながらAVマルチ(RGB)端子がつき、今では「ベガ」シリーズのほとんど全て(一部モノラル、パーソナルタイプを除く)のモデルにこの端子があるのです。上は50インチから下は14インチまで、もうよりどりみどり。価格も14インチで2万円台前半とかなり安くなっています。フラット管とシルバーの外装が貴方のお部屋を近代的に演出してくれること間違い無し(通販番組風)。


 ただし画質は値段相応というか、ソコソコです。14インチで自分で使ったものとしては、KV−14AF1はパナソニックの「TH−14G1」に近く、ソニーの「CPS−14F1」には及びません(それでも、ビデオ端子よりは格段に良くなりますヨ)。また、21インチと29インチを見た限りでは、大画面のもののほうが画質は良いようです。

 ソニーのテレビ総合カタログ、写真は2001年6月版。とりあえず電器屋さんで貰ってこよう。表紙のHD700シリーズ(右は50インチ、左は36インチ)も、もちろんAVマルチ端子装備です。誰か、MSX専用に買って。

 カタログより、AVマルチ端子。これがぼくらを救ってくれる(かもしれない)。製品によって端子の位置が前面だったり背面だったりとかなり違うので、購入前に実物で確認しておくべし。




 このプレイステーション用のAVマルチ端子は当然ながらプレステ専用の形状なので、接続するために変換アダプタを作ります。どうしてもハンダゴテを使う必要がありますが、できるだけ詳しく、電子工作がはじめての人でも分かるように解説したつもりです。

 用途に合わせて2通りの作り方があります。製作に必要なプレイステーション用のAVアダプター1つから下の2つが作れてしまうので、2つ作って片方を誰かにプレゼント、というのが工作マニアにオススメ。
 

RGBコネクタタイプ

AVアダプタタイプ

外見

長所

・作るのは簡単。道具も最低限でよい。
・MSX以外のもの(セガサターン、スーパーファミコン等)にも使える。各機種用のRGBケーブルが必要。
・見た目がカッチョいい(当社比)。
・プレイステーションとの差し替えが楽。
・音声端子があるので、スピーカへの分岐が楽(FS−A1GTの場合)。

短所

・MSX用のRGBケーブル(8p←→21p)を持っている必要がある。現在の入手はちょっと困難。
・プレイステーションとの差し替えが面倒。
・画面が多少はみだすので、調整が必要。
・工作がやや面倒。
・MSXにしか使えない。
・テスター、ハンダ吸い取り機がないと作りにくい。
・別途プレイステーション用のRGBケーブル(VMC−AVM250…3000円)が必要。高いけど、どこででも買えるからマシ?
・画面が多少はみだすので、調整が必要。


 現在動作を確認しているのは以下の組み合わせです。

 ・FS−A1GT+KV−14AF1(生産完了品)
 ・FS−A1ST+KV−14AF1(生産完了品)
 ・HB−F1XDJ+KV−14AF1(生産完了品)
 ・FS−A1GT+KV−21DS1
 ・FS−A1GT+KV−29DS1
 ・FS−A1ST+KV−29DS1
 元祖トップ画像。当研究室の環境です。KV−14AF1(青)と、テレビスタンドSU−16X2の組み合わせ。画面はアレスタ(コンパイル)より。ちょっと画面が明るすぎました。

 SU−16X2は現行のKV−14DA1でも使えます。このスタンドは生産完了品ですが、今のところカタログに載っています。私は2001年7月に注文して入手できました。オープン価格ですが、6000円くらいでした。

 2代目トップ画像。テレビはKV−29DS1、画面はイース(日本ファルコム)より。テレビの横にある青い箱はプレステ2のそれ。神奈川県横浜市にて撮影。




 注意:カタログに「AVマルチ(RGB)」と書かれているものに関しては問題ないと思われますが、最近出てきた「AVマルチ(RGB/Y色差)」と書かれたものについては現状で動作確認を取れていません。これはPS2でDVDを見る際にRGBケーブルをコンポーネントケーブルとして使えるようにしたもので、現在売られている唯一の14インチモデルである「KV−14DA1」がこの端子になっています。おそらく問題なく使用できると思いますが、このページを見て作られた方がいたら、ぜひとも結果をご連絡願います。


カタログより。上に書いた動作確認済みのものは全てこちらのタイプ。

同じくカタログより。こちらのタイプはまだ未確認です。

 必要な工具は以下の通り。始めての方は上の4つだけ揃えましょう。

 ・ニッパー
 ・ハンダゴテ(20Wのものがよい)とクリーナー(濡らしたゾウキンでも可)
 ・ハンダ(電子工作用、IC用と書かれたものが使いやすい)
 ・ドライバー(安物でOK!)

 以下は、あるとよいもの。
 ・ハンダ吸い取り線、ハンダ吸い取り機
 ・テスター

 注意として、この件に関してソニー株式会社等に問い合わせることはおやめ下さい。また、この製作記事を読んで起こった損害や事故については当研究室は一切責任を負いません。

 ということを理解したら、製作記事へGO!

 *上で2つ紹介しましたが、今のところ「RGBコネクタタイプ」の記事のみアップロードしています。
  (もう片方はお待ちを…。)
 *あと、比較表のところに書いた「画面がはみ出す場合の調整法」についても製作中です。
  とりあえずこちらを参考にして下さい(無断リンク)。

→製作記事(RGBコネクタタイプ)へ

(2001/8/18、2005/02/07追記)

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