プレイステーション用AVマルチ端子アダプタ(RGBコネクタタイプ)製作記事


材料は、プレイステーション用AVアダプターと21pRGBコネクタのみです。写真は文中に掲載しています。まず全部の工程をよく読んで下さい。

AVアダプター  今回の製作に使うAVアダプター。普通はガンコン(ナムコ)を中期以降のプレステで使うときにしか用のない実にマイナーなアイテムです。標準小売価格1500円(税抜)。

 意外に地道なバージョンアップをしており、灰色のもの(SCPH-1160)、黒色でS端子のないもの(SCPH-10080)、黒色でS端子のあるもの(SCPH-10130)の3種類を確認しています。

 どれも製作には影響ありませんが、AVアダプタ以外(S端子ケーブルなど)は使えません。12個あるPS側の端子が揃っていない(そのケーブルで必要なもの以外が歯抜けになってる)ためです。


AVアダプター(本体)  箱から出したAVアダプター。今回の改造においてはケーブル部分しか使いませんが、灰色のものはケーブルが少し短い(作業しにくい)のと、コネクタ部と色が合わないので、できれば黒色のを探しましょう。

 写真はS端子つきのもの。箱に「(S映像出力端子付き)」と書かれています。その他の違いとして、S映像出力付きのものは横の端子が金メッキされています。

 これ以降は大きさが分かるようにマットを敷いています。マス目は1cm角。ハンダ付けの時に使うと溶けるので、本来は使いません。

RGBコネクタ  もう一つの部品、21pRGBコネクタ。秋葉原の「千石電商」で購入したもので、180円(税抜)。他の店では袋に入っていないものもありました(そちらは組み立て済み)。どれでも構いませんが、必ずカバーのついているもので、プラグ(差し込む方)じゃなくコネクタ(差し込まれる方)を選びましょう。

 千石電商は秋葉原の部品ショップとしては個人客にも優しいところで、通信販売でも購入できます。

コネクタ分解  RGBコネクタを袋から出したところ。3パーツからなります。カバー(中央)でコネクタ(左)を挟み、下をキャップ(右)でネジ止めする構造です。どこで買ってもだいたい同じですが、この時点で一回組み立てて構造を理解しておいて下さい。

ねじを外す  AVアダプタを分解します。ネジ2本を外して開けるとこうなります。結構力が要りますが、景気良くやりましょう。

 こうなるともうプレステには使えません。MSXユーザー(僕)に買われてしまわなければ、こんな目には遭わなかったでしょう。今ごろガンコンでも繋がれて幸せに暮らしていたかもしれません。だが運命とは時に残酷なのだよワトスン君…などと言いながら分解するとアブナイ人に見られてしまうので、思うだけにしましょう。

シールド板のハンダ  プラスチックカバーを取ると、全体を覆う金属板が見えます。これは電波ノイズを拾わないためのシールド板です。基板に赤丸の2ヶ所でハンダ付けされているので、ハンダゴテで外します。ハンダが溶けたところで板を外側に引っ張ると取れます。直接手でやるとヤケドするので注意。

外れたところ  ひっくり返して、シールド板を外したところ。左がシールド板。ここではキレイに取れていますが、ハンダゴテに慣れていないとベコベコの無残な姿になることでしょう。薄いので力をかけすぎないように。

アミ線を外す  ケーブルを外す前にもう一箇所ハンダ付けを取らねばなりません。赤丸のポイントでアミ線が基板に接続されています。ここはニッパーで切ってしまっても構いませんが、できるだけケーブル側を長くするように。

コネクタを外す  コネクタを外します。写真のように左右のツメをゆるめてから、ケーブルの根元を持ってエイヤッと引き抜きます。

リングを取る  ケーブルが取れたら、リングを取ります。これはAVアダプター本体からケーブルが抜けるのを防止するための金具です。マイナスドライバーを差し込んで、テコの原理で少しずつ持ち上げます。写真は既に左側が少し持ち上がっています。

リングを取ったところ  取れました。このくらいまで曲げれば十分取れます。今回は使わないけど、これも捨てちゃダメ。

ケーブルをカット  白いコネクタは不要なのでこのへんでチョン切ります。長さが揃っているほうがいいのと、一気にチョン切ったほうがキモチいいので僕は一発でキメます。その後でケーブルに残ったパーツ(AVアダプター本体の根元にあった部品)を抜いておいて下さい。

コネクタ色見本  コネクタ部の拡大(分かりやすくするために各ケーブルは短くしています)。色の順番がこの通り(緑・赤・紫・青・ピンク・白・黄・薄緑・オレンジ・灰・茶・黒・黒)になっているかどうか、必ず確認して下さい。違っている場合、これ以降の記事と違いが出ます。並び順が絶対であり、色はあくまで参考です。

 私が確認した3本の色の並びは同じでしたが、色合いが微妙に違っていました。色の名前は自分で納得のいくものをつけて下さい。

チューブを外す  かぶさっているチューブは工作の邪魔なのでカッターで切り離します。これはさすがにゴミなので、捨てて下さい。カッターより写真のデザインナイフが一本あると意外とベンリです。この時だけは、色のついた細いケーブルに傷をつけないよう慎重に。太いほうはあとで切り離すので別に大丈夫。

一息いれて組み立て  ここらでアダプタ本体を元のように組み立てます。今回は使いませんが、残った部品も別の工作に使えるので箱に入れてとっておきましょう。一休みしたら、工作もヤマ場に入ります。

ケーブル外皮切り  ケーブルに先ほど外したリングの跡が残っているので、その部分の外皮を取り除きます。中に細い線の詰まった太いケーブルの皮だけを切りたい時は、写真のように指で強く曲げた状態で軽く切りこみをいれると中に傷がつきません。もっとも、このケーブルは外皮が柔らかいのでそれほど心配は要りません。

キャップを通す  工作前にケーブルにキャップを通します。21pコネクタの構造を理解していれば当然ですが、これを忘れると絶対に組み立てられません。ハンダ付けが終わった後で気付いたら泣きましょう。しかし誰もが一度は経験する失敗です…って、そんなアホは僕だけ…?


ここからハンダ付け作業に入ります。コツは体得するほかありませんが、あらかじめ付けたい端子とケーブル両方にハンダを盛っておく(予備ハンダ)とやりやすくなります。

配線図(左)  配線が終わったものがこちら(料理番組風)。この写真だと見えませんが、アミ線は21pプラグの外枠(ヘの字型に折れた溝の近く)に付きます。左のほうが右側より端子が一つ多くなるように向きを決め、あとはこの写真を参考に。黒は2本ありますが、どっちがどっちでも構いません。また、黄色の両側一つずつはどのケーブルも繋ぎません。

配線図(右)  反対側。繋ぐのは下の2本だけです。上は何も繋ぎません。こう見るとキレイにできているようですが、実際はプラスチックにコテが当たってしまいあちこち溶けています。その時のコゲたような匂いがなんとも…。

配線処理  全て繋げると3本余ります。これはS端子用の2本と+5V(RFアダプターキット等で使用)の3本で、今回は用のないものです。ただしショートするとマズいので、セロハンテープでこのように保護してやりましょう。

組み込み  こうやってカバーに収めます。アミ線はハンダで固まっているので、あまり強引に押しこまないように。端子が折れたらおしまいです。無理だと思ったら一度外して、短く切って再トライするくらいの気持ちを持ちましょう。またアミ線と回りの端子がショートしていないかも注意。最後のカバーはパチンとはまりますが、線を噛むことがあるのでよく見てから。

完成!  あらかじめ通しておいたキャップを締めて完成。21pコネクタのよいところは、工作がどんなに汚くても入れてしまえば分からない点にあります。キャップを締める時にケーブルも締めつけられて固定されるので、テレビに合わせて固定する角度を決めて下さい。写真ではテレビ側の端子が縦になっている場合に合わせています。

 最初の分解からここまでの作業は、慣れれば30分くらいです。

ケーブル全体  MSX用の8p←→21pケーブルと合体させた時の図。上がプレステ用RGB端子、下がMSX用端子です。MSXだけでなく、各機種用のRGBケーブルがあればどれでも繋ぎ放題。スーパーファミコン(任天堂)とセガサターン(セガ)については動作を確認しています。クリアな映像で、あんなところもこんなところもバッチリさ!

(2001/8/18、2005/02/07一部修正)

※この工作による事故や損害など、一切保証致しません。自己責任において行って下さい。


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