HHE-31a:Noise Bridge 50Ω(~50MHz)

2011年11月23日水曜日更新
HHE-31a 【概要】
ノイズブリッジは、アンテナのインダクタンスとリアクタンス・共振周波数等を測定することができます。また、受信機と組合わせて、アンテナ調整をすることが可能です。
ノイズ発生はツェナーダイオードを利用するものが多いようですが、選択した回路はMMTTYの作成者である森OM(JE3HHT)のノイズ・ブリッジの製作と大久保 忠『アマチュア無線自作電子回路』を参考にしています。弛張発振器とフェライトビ-ズ(FB-801#43)にφ0.2mmのUEWをトリファイラー巻きで位相が180°異なる信号を得ます。
また、180度位相分波器とソータバランは、山村 英穂『改訂新版 定本トロイダル・コア活用百科』を参考にしています。

目的

スモールループアンテナの準備として作製した、50Ω専用のノイズブリッジです。

回路

ツェナーダイオードに電圧を掛けてホワイトノイズを発生させ、トランジスターで増幅する回路が多いようですが、弛張発振回路を利用します。

設計

弛張発振回路は、広範囲な周波数を含み出力が大きく、受信モードAMで自動的に変調がかかる利点があります。周期はC1とR1で決まりますが、参考にした回路とも同じ値でしたので変更していません。トランジスターは2SA1015(fT=80MHz)と、2SC2347(fT=650MHz)または2SC1906(fT=1000MHz)を使用します。電源電圧は3V(単三電池2個)ですが、9V(006P)でも接続できるように、006P用スナップ式ホルダーを使用します。

加工

ケースは、TAKACHIのSW-75(W50mm×H30mm×D75mm)を使います。また、180度位相分波器とソータバラン(sort-a-balun)を作製します。

基板

基板にBNCコネクター信号用端子の穴φ2mmを開けます。ケース加工と合わせて微調整します。

ケース

ケース上面にBNCコネクター用の穴φ11mmを開けます。また、トグルスイッチ用にφ6mm、LED用にφ2.6mmの穴を開けます。また、BNCコネクターを仮止めし、基板とトグルスイッチの位置関係を微調整します。トグルスイッチは、BNCコネクターを固定してから取り付けます。基板にトグルスイッチのナット等が当たる場合には、基板を角丸に加工してください。
HHE-31a

FB-801#43

180度位相分波器は、フェライトビーズFB-801#43にφ0.2mmUEW線をトリファイラーで4回巻きます(写真右側の2個)。ソータバランは、バイファイラーで4回巻きます(写真左側)。今回は180度位相分波器を一つ使い、残りの2個のフェライトビ-ズは、製作予定の可変タイプノイズブリッジ用で、R、XCとXLを測定できるものです。
HHE-31a

実装

詳細は図面を参照してください。

基板

片面2.54mmmピッチ基板(44×20mm)に実装します。ケースには、予めBNCコネクター、トグルスイッチ、LEDを実装しておきます。また、BNCコネクターのGND接続と51Ωの抵抗器も実装しておき、基板を二つのBNCコネクターと51Ωの抵抗器に配線し固定します。さらに、基板からビニール線で、トグルスイッチとLEDに配線します。
HHE-31a HHE-31a HHE-31a

ケース

ラベルを貼り付け完成です。
HHE-31a

利用方法

1)ノイズブリッジのRX側にに受信機のアンテナを接続します。
2)ノイズブリッジのANT側に調整するアンテナを接続します。
3)調整する周波数で受信し、ノイズが最小になるようにアンテナチュナー等を調整します。

補足

消費電流の実測値は、LED有りで3.65mA、無しだと0.97mAとなり、LEDへは3Vで2.5mA流す計算ですので設計通りです。また、180度位相分波器のインダクタンスは、A-a/B-b/C-cが約22.0μH、B-Cが約85.8μHです。ノイズブリッジのANT側をオープンにしたときの信号強度は、下記の様になります。50MHzまででしたら十分利用することができます。
周波数帯 信号強度(AM) 信号強度(SSB)
1.8/1.9MHz S9+ S9+
3.5/3.8MHz S9+ S9
7MHz S9+ S8
10MHz S9+ S8
14MHz S9+ S7
18MHz S9+ S7
21MHz S9 S7
24MHz S9 S6
28MHz S9 S6
50MHz S8 S6
144MHz S5 -

資料

ダウンロード(ZIP)

頒布

部品等は汎用品であるため入手可能だと思います。また、各種パネル等は印刷データ(PDF)を公開していますので作製が可能だと思いますが、部品セットも頒布しておりますのでご活用ください。