世界の街角から ネルソン〜モトゥエカ
モニタ 朝焼け オークランド空港
機内〜ブレナム
モトゥエカ〜マプア
ハンマー〜CHC

2009年12月4日18:30、成田を飛び立ったニュージーランド航空NZ90は徐々に高度を上げて順調に飛行を続けた。しばらくすると夕食のサービスがはじまりニュージーランド産のシャルドネを少々いただいた。

●機内で急病人が発生
いつもは二人旅だが今回はパートナーの兄とそのお友だちの4人で行くことになった。その兄が夜中に腹痛を起こした。お腹の下あたりに激痛が走り苦しそうにのたうちまわった。
すぐに客室乗務員に事情を話すと、機内放送で医師または看護師の協力要請をしてくれた。さいわい外国人医師と日本人元看護師が見てくれた。
しかし血圧計などもないため原因が分からず処置方法がなかったようだ。
機長はすぐにオークランドの地上スタッフへ救急隊の要請をしてくれた。夜が明け始めてもまだ激痛は治まらない。見ているのがつらい。そんなとき一人の日本人客室乗務員が本人はもとよりまわりで付きそうこちらにも配慮をしてくれ、緊急時の対処の仕方を教えてくれた。

気が動転するなか、まずは病院に搬送するのだがニュージーランドの場合本人の意志で病院へ行くか、診療所へ行くかを決めなくてはならない。症状からして病院へ行くのが妥当と判断し病院を依頼。次に傷害保険の連絡先を見つけてくれて到着後、すぐに連絡するようにとのアドバイス。
オークランドに到着し、まずは一般乗客を先に降りてもらい最後に救急隊が機内へ駆け込み症状をみる。このときには激痛で顔も見ることができないくらいかわいそうな状況だった。
原因がわからず処置のしようがない。とりあえず痛み止めの注射をうつが効き目がない。病院到着までに通常なら1本で直るところ5本もうったというがまだおさまらない。

機内機内

空港病院

搬送先の病院はオークランド空港から一番近い「ミドルモア病院」だ。
患者と連れ合いが救急車へ乗り込み、荷物は我々があとからタクシーで病院まで運んだ。
病院へ行くと、ベッドに横たわりぐったりしていた。インド系の女性医師が現在までの経過を詳細に訪ねる。ニュージーランドの病院では日本人が治療する場合、医療通訳者が必ず付くというありがたいシステムになっている。これが診療所だと保険会社の日本語を話す人が通訳してくれるようだ。

今回は病院専属の日本人女性R子さんが担当してくれた。この人の対応がすばらしくみていて安心だ。
患者はレントゲン、CTスキャンと検査の結果、腸に炎症がみられるという。これはもう旅行の継続は無理。その日のうちに手術が決まった。
医師が帰国日を考えるとできるだけ早く手術をしないと間に合わないと判断したのだろう。

傷害保険はいつも利用している「ジェイアイ保険」をかけていた。
こちらもニュージーランドの緊急用電話番号へかけるが実は日本のデスクにつながる。すぐに状況を説明し、保険会社からも日本語を話せる担当者を派遣してくれた。こちらはオークランドに住む日本人女性のSさんだ。こちらの女性も細かいことをすべてやってくれて二人には感謝感謝だ。

すでに午後4時を回っている。本来はNZ90から乗り継いでクライストチャーチへ行く予定だ。二人分の予約をキャンセルし、私たちは最終便8時のクライストチャーチ行きに予約を変更した。これもニュージーランド航空のスタッフのおかげで特別に便を無料で変更してくれた。

保険会社のSさんはこれから10日間の旅をするためのホテルの予約の取り消し、レンタカーの予約の取り消し、患者に付き添うために宿泊する近くのホテルの予約などをこなしてくれた。これも英語が苦手な我々にとっては神様みたいな存在だ。

午後6時、手術は今日の9時から行うという。これで二人は完全に旅行は中止。我々二人は病院からタクシーで空港まで行き、無事にチェックイン完了。
午後8時に飛び立ったボーイング737は夕焼けの空を望みながら定刻にクライストチャーチへ到着。すでにあたりは暗くなっていた。迎えに来てくれた友だちの車に乗り込みホテルへ直行。なが〜い一日がやっと終わった。

クライストチャーチへ飛行機より

海外旅行に保険は必須
1)日本で海外旅行傷害保険に必ず入る
2)保険証書は手荷物として機内へ携行
3)緊急時まずは保険会社の現地デスクへ連絡
4)機内で発生した場合は客室乗務員の力をかりる
5)症状により診療所ですむか病院の方がいいかを判断
6)病院だと日本語を話す医療トランスレータが無料で付く
7)日本の携帯電話と充電器は必須





●クライストチャーチからブレナムへ
12月6日、日本で予約してあったHertzの市内営業所で車をピックアップ。トヨタのマークツークラスだ。Hertzの#1クラブに入っているのでどこで車を借りても同じグレードの車を出してくれるのでありがたい。
9時にクライストチャーチを出発。1号線をめざして市内をくぐり抜ける。 見覚えのあるフルーツショップをみながら1号線へと入る。ここからいきなり100キロ走行が始まる。道路はいたって順調だ。

ここまでくると運転の感覚もなれてくる。最初の休憩地はCheviotという小さな町にある「TWO RIVERS」という芸術カフェだ。ちょっと早めのランチにすることにした。相方はシーフードチャウダー(11NZ$)、こちらは茸スープをいただく。庭には芸術家が作ったようなオブジェが並んでいる。

カフェスープ

しばし休憩しさらに1号線を北へと向かう。
ワイン畑が見え出すともうワイパラだ。丘陵地帯にはぶどう畑が広がる。ハンマースプリングへ向かう道と分かれ山がだんだんに近づいてきた。ここを抜けるとカイコウラも遠くない。右側に海が見えてきた。道路が海岸線に沿って走っている。突き出た半島へむけてカイコウラへ入る。
まだこの時期は人も少なく、静かなカイコウラの町を眺めながらファイフ・ハウスへたどり着いた。ここはカイコウラでもっとも古い歴史的建造物として見学できるようになっている。海岸にでるとあざらしの親子が岩に腰をおろして休んでいる。

あざらしファイフハウス

さらに1号線を北上すると海の色がミルキーブルーに輝きすばらしい光景が目に飛び込んできた。
どこかで車をとめてお茶でも飲みたい気分だ。kekerenguというところにあるカフェを見つけた。海の見える高台にあり抜群の絶景だ。ここで一休みすることにした。
相方はイングリッシュティー、僕はフラットホワイトを注文。
南太平洋の広大な海とシーガルが戯れる風景を眺めながらひとときを過ごす。ここには日本人の女性がワーホリで働いていた。ここから10分くらいの町に住んでいるという。

海辺のカフェ海辺のカフェ

小さな丘をいくつかこえるてブレナムの町に入る。前回も迷ってしまったが今回も同じように迷ってしまった。シティセンターからややはずれたところに予約したモーテルがある。「Knightsbridge Court」というモーテルだ。ここは以前にも宿泊したことのあるモーテルでイギリス風の清潔な室内がいい。
目の前にあるスーパーで夕食の素材を購入。ワインも調達して今夜は手作りのディナーをいただく。

ブレナムのモーテルスーパーのレジ

スーパーモーテル