(証明)
(1)式は両辺の常用対数をとると、次のように変形されます。
log y1 = log K + bx・log a ・・・・・・(4)
ここで、x の変化量が 1 ずつ変わるデータを考えます(これが基準変更の根拠です)。そうするとxが微小量 1だけ増えた時の(4)式は (5)式となります。
log y2 = log K + bx+1・log a ・・・・・(5)
両辺についてそれぞれ差(5)−(4)をとります。左辺を△log y とおくと
△log y = log y2 − log y1 = bx・log a ( b − 1 )
(4)式を代入して x , a を消去し整理すると
△log y = ( 1 − b )log K − ( 1 − b )log y1 ・・・・・(6)
(6)式は(2)式と同じ。証明済!
b も K も定数だから、(6)式は△log y を目的変数としてlog y を従属変数とする回帰式になっていることがわかります。x の変化量が 1 ずつの場合のゴンペルツ曲線なら回帰計算で係数を求めることができることが証明されました。
変数が等間隔での変化量ならば、変数変換して変数を1ずつ変化する量に変換しておけばこの方法から近似式を得ることができますね。
(混乱しないように)
(6)式から b , K を求めるということは、最初の従属変数 x は1ずつ変化することを前提にした近似式であることになります。どのような従属変数 x データを持ってこようが関係ないところで、 x が 1 ずつ変化しているときのシグモイド形状として目的変数だけで計算されています。
しかしあなたが知りたいのは観測した変数と目的変数 y との関係ですね。最初のシグモイド曲線を引き伸ばしたり位置をずらしたりしてあわせる作業が残っています。
だからあなたは、1ずつ変化する x と、あなたの観測した等間隔の従属変数との関係式を求めて代入することになります。
でもこれだけでは、シグモイドの形状が決まるだけです。まだ、あなたが観測したシグモイド曲線の位置 a は決まっていません。シグモイド曲線の位置は x = 0 の位置に対応する目的変数の値から方程式で算出されます。 x = 0 の位置は実績グラフを描き、変曲点を何らかの方法で推定するわけです。タコの方法は従属変数も観測データがばらつくことを予想して、変曲点近傍の3点のデータは直線であることを前提にその3点の目的変数の平均値で推定しています。
(1)式に K と b との数値を代入した式からエクセルなら、ゴールシークで求めることができます。
直線になるはずのあたりのデータがあまりにばらついているのなら、手でシグモイドカーブを書いて変曲点を目で見て推定するという原始的なやり方が実務的な近似には有効です。発表には不向きですが。