MSX同人ソフト紹介(8/14)

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POPCoRN/POPSOFT/First

大阪のサークル。主なところはほとんど一人で作っていたようだ。あまり技術力の高い方ではなかったが、後半の作品はよくまとまっていて面白かった。あと「EDEN」の人と仲が良くて(学校の先輩・後輩だったそうだ)、本人が「無敵戦士ヤジウマン」「狂った青春」などにゲスト出演している。
「First」はPOPCoRNの旧名POPSOFT時代の別名義らしい。



FIRST

1993年12月24日・2DD×1・



「First」名義のソフト。「爆龍伝」「郵便戦士」の2本をカップリングしている。
爆龍伝はマップ移動式のアドベンチャーゲーム、郵便戦士は郵便配達アクションゲーム。
turboRのPCMに対応していて、最初のメニューで「どっちか選んでね」、郵便を配るごとに「ゆうびんでーす」など、いちいち喋るのがなんとなくおかしい。



POPBOX

1994年12月・2DD×1・



この時期までに作られたPOPCoRN作品の総集編的な内容。「宝玉戦記ライデイル」はこれ以前にTAKERUで単体作品として発売されていた。



Be Blue

1996年1月・2DD×2・



マップ移動のあるアドベンチャーゲーム。一部のセリフを声でしゃべることかウリ。ただし音声はturboRでしか出ない。



むきえびメモワ〜ル

1998年3月・2DD×2・



恋愛シミュレーションゲーム…らしいのだが、バイトをしてプレゼントを買い、女の子にひたすら貢ぐだけという内容。バイトの内容は死ぬほど単調だし、女の子は可愛くないし(わざとだろうが)、ディスクの入れ替えが多いのに「ディスクを入れ換えてね」といちいち喋る(しかも音声パターンがいくつもある)し、プレイヤーを小馬鹿にしたような内容である。ここまで徹底しているとかえって面白いから不思議だ。

貢ぐことのできるアイテムも「文具セット」から「入れ歯」「重油」「白菜」「箕面の豪邸(ガレージ付)」など異次元感覚が満載。
ちなみに箕面(みのお)というのは大阪の地名で、小松左京の自宅がある。



むしゃ武者

2001年5月・2DD×1・



この画面でturboR専用とはいい度胸だが、意外と面白いアクションゲーム。面ごとに変わる敵の攻撃を見切って剣を当てるだけなのだが、相手の動きを理解しないと絶対に勝てない。面ごとにストーリーが語られるが、変にシリアスな内容なのでゲーム画面とのギャップが大きい。



Mistral Blue

2002年12月31日・2DD×1・



経験値の概念のないRPG。戦闘シーン付きAVGというのが正しいか。
音楽やシステムのレスポンスも良く、なかなか完成度は高い。

ただ、スピードを重視したせいかストーリーをはしょり過ぎていて、話の流れがいま一つよく分からないところがある。過去のPOPCoRN作品のキーワードや登場人物が出てくるので、それらに関係しているのかもしれない。

戦闘システムが独特で、こちらの攻撃と相手の攻撃の組み合わせによってこちらが受けるダメージが変わったり、無効になったりする。このことに気付かないと、最初の戦闘になかなか勝てない。負けてもすぐ戦闘の最初からやり直せるので、いろいろ試してみるのが面白い。


PPM

TAKERUで「GAME100」「ゲーム集 新世紀」をリリースした一人サークル
作者はMSX・FANの投稿プログラムコーナー「ファンダム」末期の常連であった。



GAME100

1995年・2DD×1・



ミニゲーム集。100本入っており、大半はMSX1で動作する(一部に漢字BASICを要求するものがある)。
かなり簡素な作りで、起動してもBASICの画面が出るだけ。ファイラーすらも自動で起動せねばならない。

中画面は「トジコメ」。敵の四方を隙間なくブロックで囲むのが目的。絵がある分、派手な方である。



ゲーム集 新世紀

1996年8月17日・2DD×1・



ミニゲーム集。30本のゲームが収録されている。

右画面はそのうちの一本、「あんさつ」。ナイフを落としてターゲットを的確に抹殺するのが目的。
一見してぞんざいな画面だが、ターゲットの死に様には妙な力が入っていて、なぜか笑える。

全体を通して、そこはかとなくブラックかつドライな作風が特徴と言える。


QUADRIVIUM

オランダのサークル。「ZONE TERRA」一本しか確認できていない。



ZONE TERRA

1994年・2DD×1・



かなり独特なシューティングゲーム。敵や弾にぶつかっても画面右上の%が減るだけで、気がついたら死んでいた、ということが多い。攻撃も地味で、妙にチマチマしている。背景は一枚絵がゆっくりとスクロールする。一応面の最後にはボス敵が出てくるけど、なんだか意志のないような変な動きをする。

ちょっと珍しいのは効果音がturboRのPCMに対応していることくらいだろうか。MSX-AudioがあるとBGMが豪華になるが、全体としてはどこまでも地味。


RABBiT SOFT WORKER'S

21世紀になってからMSXのゲームを発表しはじめたサークル。こういうと何だが、珍しい。
下の「Gunnership 2on2」の他、「Product of Hearts -In the 6th sense-」が発売されている。



Gunnership 2on2 HEROINES EDITION

2003年・2DD×1・



turboR専用のマウスを使ったガンシューティング。マウスがなくて十分に遊べていない…。
CGのセンスはなかなか良い。BGMがないのがちょっと寂しいところ。


RISKY SOFT

「FM音源すちゃらかDISK」シリーズをひたすらリリースしていたサークル。

内容とはあまり関係はないが、サークル名の表記がかなり揺れていて「RISKY」「Risky soft」「RISKYSOFT」「RISKYsoft」「RISKY-SOFT」「RISKY-soft」「さーくるRISKY-soft」などがあり、どれが正しいのかさっぱり分からない。とりあえず無難なところをチョイスした。



FM音源すちゃらかDISK Ver3.0

1992年?・2DD×1・



バージョン3とあるが、このサークルに限り「第3号」の意味と解釈する。1と2はMSX用としては存在しないらしい。

このシリーズはどれもそうなのだが、最低限のランチャーとBASICで作られたFM音源の曲を行き来するだけの構成である。
内容としてはほとんどゲームミュージックの打ち込み(少しだけゲーム類も入っている)となる。
FM-BASICなので、後の専用ドライバを使ったものに比べると完成度としてはそこそこといった程度でしかない。

ところでこの「Ver3.0」のみ、再生中にテレビアニメからの取り込みとおぼしき画面(右画面)が出るのだが、何の意味があるのかは不明。



FM音源すちゃらかDISK 追加版コナミスペシャル

1992年・2DD×1・



コナミのゲームミュージックだけを収録しているスペシャル号。「悪魔城ドラキュラ」「グラディウス」の2大シリーズを扱っている。
どちらも初代タイトルだけでなく「悪魔城伝説」「グラディウスIII」など、続編の曲も含んでいる。



FM音源すちゃらかDISK 追加版Ver6.0魔導ノ章

1993年・2DD×1・



ゲームミュージック主体ではあるが、特にテーマはないらしい第6号。
この号は曲名だけがリスト化されていて、ゲーム名が表示されないため出典不明の曲が多い。



FM音源すちゃらかDISK ファルコムスペシャル

1993年・2DD×1・



イースI〜IIIのほぼ全曲と、ソーサリアンなどの曲が少数収録されている日本ファルコム特集号。



FM音源すちゃらかDISK 追加版Ver7.0転生ノ章

1993年・2DD×1・



「女神転生」「ソーサリアン&Ys」「ドラゴンクエスト」」「その他」の4ジャンルからなる第7号。

この号の「お知らせ・広告のコーナー」によると、MSX版の「FM音源すちゃらかDISK」はVer3,4,5,コナミスペシャル,Ver6,ファルコムスペシャル,Ver7の順になるようだ。
Ver1とVer2についてはPC-9801用のみ存在するらしい。逆に3以降はMSX版のみとなっている。



真・FM音源すちゃらかDISK

1993年・2DD×1・



最も新しいらしい「FM音源すちゃらかDISK」。
この号ではOPLLDriverを使用するようになったため、音楽を流しながらメニューを操作したり、任意の場所でフェードアウトができるようになった。
ただ、音源の使いこなしとしてはBASIC時代のものと大差はない。


Romi

MSX・FANの投稿者であるRomi氏の一人サークル。MSX・FAN誌に掲載されたモニタツールの後継である「SUPER-X」をTAKERUで発売していた。



スーパーパッケージ

1994年6月30日・2DD×1・800円・



元々「SUPER-X ver1.1」として売られていたが、SUPER-Xがver1.2となった際にテキスト集「MSXの秘密」がオマケについてタイトルが変わったもの。
ツールはMSX・FANに掲載された「LORD」の進化系で、この手のものとしては一番の使い勝手を誇った。ただ、BASICから起動するタイプなのでDOS上で動作するソフトに対しては使いづらかった。

「MSXの秘密」というのはMSX・FAN誌上で「作者からのコメント」に妙な人気のあったRomi氏独特のテイストを持ったテキストだが、内容はMSXとあまり関係がない。”このソフトも本当は「ひみつ’94」にしたかった”など、どうでもいい裏話もある。一番面白いのは「謎のフレーズ・カーディガン」だった。

ちなみに、かなり後にSUPER-Xはインターネットでフリー公開されたが、その際テキスト部分については公開されなかった(現在は閉鎖)。持っている人だけのお楽しみ。


RootにゃんPLUS

このサークルの代表者は「MSXテクニカルガイドブック・ディスク編」の著者であり、「バックアップ活用テクニック」にツール「COPY CAT」の記事を投稿などしていた方・・・なのだが、MSX向けの同人ソフトは自分のサークルからほとんどリリースしていない(他サークルへの技術協力が多い)。ほとんど唯一のソフトとして「CG集・鵜頂点」がある。



CG集・鵜頂点

1994年・2DD×1・



PC-9801で描かれたCGがMAG形式で収録されただけのCG集。「長良川鵜」氏のCGが数枚収められている。
CGデータはMSX用のものではなく、PC-9801の解像度のものがそのまま入っている。MSX用のツールでは間引いて表示するか、左右を切るかどちらかしかできない。

正直言ってこれはMSX用のソフトとしては評価のしようがないのだが、重要なサークルなので掲載した。


SAKA

大阪の一個人。フリーウェアで発表していた「MuPLAY」を即売会でも売っていた。



MuPLAY ver2.61

2001年5月5日・2DD×1・



スペクトラムアナライザ(もどき)とチャンネルモニタがついた音楽プレイヤー。定番のMGS、MPK、MuSICAの他、MIO Driverというややマイナーなドライバにも対応していた。MIOはMIDIデータを強引にFM音源で鳴らすような変な機能もあったドライバ。その代わりOPLLDriverには未対応。

画面はver2.61で、このバージョンにはオフセット印刷のマニュアルが付いていた。これ以前にも即売会で売られていたバージョンがいくつか存在する。
2.61にはGPL準拠ということでソースコードも付いていた。ただし、このバージョン以後に改良されることはなかったようである。


Sequence

「シークエンス」と読む。シューティングゲームを中心に発表していたサークルで、後期の作品はほとんどがturboR専用だった。
結構クセのある作風のためか、全体的な評価は高くない。
グラフイックが荒くて見栄えが良くなったため、損をしていたところはある。



ニュートリノMAGAZINE vol1.1

1993年7月25日・2DD×1・700円・



Sequenceが発行していたオリジナルゲームコレクションの1号。内容的にはディスクマガジンと見なしてよいだろう。

「vol1.1」とあるのはマイナーバージョンアップをしたためで、この時点で既に「ニュートリノMAGAZINE Vol2.5」も当時のサークルのチラシに書かれていることから、初版の発行はこれ以前であったと思われる。このサークルは他のソフトでも時々バージョンアップを行っていたため、発売日が前後している可能性が高い。

内容はミニゲーム集といったところ。2人対戦戦車ゲーム「BATTLE FIRE」と、麻雀パズルの「長安2」がメイン。

 

ニュートリノMAGAZINE vol.2

発行年度不明・2DD×1・700円・



第2号。今回はゲームの他に小説も収録されて、よりディスクマガジンらしくなった。
メインはマウスを使ったガンシューティングゲーム「明後日にむかって撃て」。



ニュートリノMAGAZINE '95 SS

1995年夏?・2DD×1・500円・



「SS」は「Summer Special」の意味。
同サークルの作品「ILLUSIONAL SNIPERS」(右画面)の体験版、「ETERNAL STRIKER」の体験版、あとテキスト類を読むことができる。



長安SUPER

発行年度不明・2DD×1・



麻雀牌を使ったいわゆる落ちものパズルゲーム。同じ牌を隣り合わせることで画面下にストックされ、ストックの組み合わせによって役ができる。実際の麻雀の役とはほとんど関係がない。

スコア表示も麻雀牌というのが面白い。
このゲーム、一度BASICで作ったものが遅かったのでアセンブラで作り直したそうだ。



BATTLE MISSION

発行年度不明・2DD×1・



マウスを使ったガンシューティングゲーム(もどき)。MSX用の光線銃はあるにはあったが出回りが悪かったので、マウスで代用するのが普通であった。
対テロリスト部隊としてテロリストと戦う…のだが、ヨタヨタ歩いてくる人がゾンビのように見えてならない。一応敵によって持っている武器が違う(2種類)。
一応実写画像を取り込んで使っているのだが、16色しかないMSX2ではいささか生気がなく、余計にゾンビのように見えてしまうのであった。



WING REVENGER

1994年・2DD×1・



独特の哲学を貫いた縦スクロールシューティングゲーム。
MSXはスプライト機能を搭載しているが、非常に貧弱なために色数の制限が強いのと、あまり大きいキャラクターが表示できない。そのため、このソフトではキャラクターを強引にビットマップで描画している。当然処理速度にシワ寄せが来ていて、非常に動きが重い。ただ、やりたいことを押し通したということでこの作品は割と好かれていた。
普通のシューティングゲームを想像するとかなり面食らうが、こういうものだと思うとなかなか面白い。

全3面と短いが、追加面のディスクが2種類ほど出ていた。
turboRだと処理速度がほんの少しマシになる他、面が始まる前とエンディングで敵側のデモが入る(中央の画面)。音声も入るのだが、敵のボスがやたら短気なのが笑える。



WING REVENGER vol.2

1994年?・2DD×1・



上で少し書いた「WING REVENGER」の追加ステージ集。「THE SHOOT FOR YELLOW APRIL」と「JUNK YARD」の2ステージがプレイできる。
当然前作と内容は別で、敵も新しいものになっている。
システムは同じなので、一見して戦車に見える敵も戦闘機である自機にぶつかってしまうのがちょっと情けない。

ちなみにストーリー上の年代設定は2008年らしい。
こちらにはデモは入っておらず、代わりに設定資料を閲覧できるメニューがある。



SILENT RIPPER

1994年・2DD×2・



「SVFSSシステム」のシューティングゲーム。ディスク2枚組だが、正確にはSVFSSのシステムディスクと、シナリオディスクである「SILENT RIPPER」からなる。
確かシステムディスクを共用できる異なるタイトルのシナリオも存在していた記憶がある(「BLACK INFORMER」だったか)。

横スクロールのシューティングゲームで、オープニング(左画面)やゲーム中のプロミネンスの描写(右画面)など頑張ってはいた。しかし「WING REVENGER」同様にビットマップを多用していたため、全体としてはテンポが悪く大味な作品。



ETERNAL STRIKER

1995年1月22日・2DD×1・1000円・



WING REVENGERの進化系の作品。見ての通り縦スクロールのシューティングゲーム。WING REVENGERよりはいくぶん普通のゲームらしくなった。
しかし、画面の見づらさや自機の大きさのために弾が妙に避けにくいのと、展開が単調なこともあってあまり面白くない。



MECHANICAL BRAIN

1996年3月5日・2DD×1・1300円・



Sequenceの代表作。横スクロールシューティングゲームで、スプライトドライバの工夫により通常32枚のところを96枚同時表示できるようになっている。1面では余ったスプライトを使って雨を降らせているので、「雨が降るシューティング」なんて呼ばれていた。ビットマップをキャラクターに使用することはなくなったが、やはり全体として重かった。

後にWindowsに移植されたものがいくつかの会社から発売された。1000円版が出た後、ダイソーの100円ゲームNo.71「メカニカルブレイン」として今でも売られている。処理速度はそちらのほうが良好(当然だが)。他にもダイソーの100円ゲームにはここのMSX作品から移植されたものがいくつか存在する。

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