MSX同人ソフト紹介(9/14)

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SiGN HOUSE

「サインハウス」と読む。福岡の一人サークル。いわゆるノベル物のゲーム「Destiny」シリーズを3作発表したサークル。



運命 〜Destiny〜

1995年・2DD×1・1200円・





今はよくあるノベルタイプのゲーム。今はWindows向けを中心として様々なスクリプトシステムが存在するが、MSXでは自力でシステムを比較的簡単に作れたので、サークル毎に操作感の異なるシステムが存在した。

これは2拓でストーリーが分岐するタイプ。テキストのページ切り替えにいちいち画面がフェードアウトするので、かなり遅く感じる。BGMや効果音がないのも寂しい。



innocent wish 〜destiny2〜

1995年4月27日・2DD×1・1200円・



彼女とドライブに出かけた主人公が殺人事件に巻き込まれる、という話。
文字に影がついたくらいで、システム的な変化はあまりない。ページ単位のフェードアウトも相変わらずであった。

前作同様にBGMはないが、turboR専用となってPCMで効果音が鳴るようになった。
タイトルの2番は車の各部の解説を見ることができる。推理に必要な情報提供とのこと。



reality 〜destiny3〜

1996年夏・2DD×3・1500円・



destinyシリーズ最終作。
今回は大幅にビジュアル面が進歩し、自然画モードによるグラフィックとなった。
また綺麗なBGMもつくようになった。(BGMのみ他の人の手によるもの)

ゲームの方は、急に会社をサボって恋人とあてもなく旅に出た主人公が事件に巻き込まれる、というもの。このへんはシリーズを通して一貫している。
危機に対して適当な選択をすると恋人ともどもアッサリと殺されてしまうので、マジメに遊ぼう。

ディスクの入れ換えがちょっと妙で、ディスクAからCに入れ換えた後、少し進んでまたA、みたいな要求をされることがある。


SPC SOFT

(詳細不明、情報募集中)



CELCION

1991年8月18日・2DD×1・



「セルシオン」。アクションパズルゲーム。カーソルを動かしてパネルを入れ替え、3枚以上並ぶと消すことができる。
ある程度消し続けるとクリア。それによってストーリーが進行する。パネルは特定の列だけ伸ばさないようにコツを掴むと割と簡単に進められる。それにしてもゲーム画面右上のタイトルロゴが脱力しすぎである。

装丁の全く違うマニュアルが存在している。手元には2組あるが、ゲームのバージョンは0.14でどちらも同じだった。


SPECTERS

(詳細不明、情報募集中)



競娘MAKER

発売年度不明・2DD×1・



「けいこメーカー」と読むらしい。女性マラソン選手?を育成するシミュレーションゲーム。
しばらくトレーニングで鍛え(中画面)、しかるのちにレースに出して勝利を目指す(右画面)。
育成中の女の子のグラフィックにバリエーションが多い。

「プリンセスメーカー」の影響を受けたいわゆる「育成ゲーム」は、MSXの同人ソフトとしては案外見かけないジャンルである。


STG工房T.M

九州の一人サークルTAKERUで「HIT AND AWAY DX」を発売していた。元はベーマガの投稿作品だった作品のグレードアップ版。



HIT AND AWAY DX

1995年4月20日・2DD×1・500円・



思いっきりシンプルな外観のシューティングゲーム。元が投稿作品だから仕方がないが、バランスはかなり気を配られていてなかなか面白い。
タイムアタックモードなども追加されている。

作者が過去に作ったゲームも収録されていて、中でも「人間爆撃」は笑える。これらはオマケなのでMSX2+以降の対応。


S.T.R.

TAKERUで「田中屋通信」をリリースしたサークル。



田中屋通信

1994年6月30日・2DD×1・600円・



ディスクマガジン形式のミニゲーム集、といったところ。パズルゲーム「ATOMIC FUSION」(右画面)にそこそこ力が入ってる他は、一発ギャグやツール類が入っている程度。
「編集後記」によると、これが最初で最後の作品ということが書かれている。そのためか、全体にいささか投げやりな雰囲気がある。


STUDIO DANCE!

1989年設立、1990年代始め頃まで数本のソフトをリリースしている。ここに載せた2本の他、「スーパーハーフ体感アクション HEY!!JAP’(DASH)」(1992年)という謎のタイトルの存在を確認している。



DISC RELIEF 創刊号

発売年度不明・2DD×1・



ミニゲーム集。マウスを使ったシューティング「GUNX」、酔っぱらいを向こう岸に渡らせる「Bomber PANIC!」など6本を収録している。
このサークルは音声をしゃべらせるのが自慢だったのか、次に紹介する「美鈴」共々、ゲーム中によく声が出てくる。



美鈴[MEI-LING]

1991年・2DD×1・



アクションゲーム。父を殺した仇を討つことを目的とする少女「美鈴(めいりん)」が主人公。
練習である「修行の章」、および実戦の「格闘の章」の2パートからなる。音声ガイドに従って方向キーを押すのが主体で、見た目の割にかなり地味な作業を続けなくてはいけない。

やはり音声があちこちに入っていて、「ギャー」「必ず、父様の復讐を」「合格じゃ」「やったー」など、それぞれに違う人が声を当てているのが珍しい。ノイジーな音なので、かろうじて個性が分かる、という程度だが・・・。あと、オープニングで殺される父親の顔が物凄くて笑える(画面中)。


Studio ESUTORIA

「スタジオエストリア」と読む。東京の一人サークル
「WHOちゃんシリーズ」など、主にパズルを主体としたゲームを多数リリースしていた。パソケット時代からの古いサークルで、技術力はあまりない。オールBASIC、BGMもないゲームがほとんど。「古き良き同人ソフト」をずっと作っている印象があった。2001年頃までMSX版を出していたが、その少し前からWindowsに移行したようだ。

ここに載っている他に「制服王」「Tame monsters」「みみず屋さん」というタイトルがある(「悪あがきCG集」より)。「怪物のお医者さん」というのが予告に書かれているが、リリースされたかどうかは不明。



WHOちゃんを探せ!

1991年12月30日・2DD×1・400円・



WHOシリーズI。Studio ESUTORIAのデビュー作だったらしい。ゲームは神経衰弱。



道 〜T・A・O〜

1996年5月9日(TAKERU)・2DD×1・400円(TAKERU:500円)・



WHOシリーズIII。自称RPGだが、カードゲームの方が近いかもしれない。枚数制限のある手持ちのカードを使うとその数だけWHOちゃんがマスを移動し、止まった絵に応じてアイテムを拾ったり敵と戦闘になったりする。マップの先があまり見えないので、攻略しづらくて難しい。
唯一TAKERUでリリースされた。



妖精探検 fa・sp・el

1996年8月4日・2DD×1・



WHOシリーズIV…と思われるが、マニュアルに記載がない。マップを歩き回って、7人の妖精を探すというゲーム。
RPGのように見えるが敵と出会うことはなく、歩数制限のみがある。
パズルとも何とも言えない内容で、「シビアな歩数制限を設けてしまったのは失敗でした」と作者も後に語っていた。



魔・漆黒・水晶姫

1997年8月15日・2DD×1・400円・



WHOシリーズV。純粋なパズルゲーム。最初に歩数を選び、その数だけマスを移動する。
次の移動は必ず+1マス(4マスの次は1マスに戻る)移動しなくてはならず、最後は目標にピッタリ止まる必要がある。
割と面白かったが、さすがに後半は難しい。だいぶ後に「妖精探検 fa・sp・el」の情報と本作の解き方を掲載した冊子が発行されている。



ぴかちう

1998年8月14日・2DD×1・300円・



スタジオエストリア最大の問題作。「ポケットピカ○ュウ」をMSXに再現!でも万歩計としての機能がないので、SHIFTキー連打で歩数を溜める必要がある(笑)。
MSXのカーソルキーを押すと画面の十字キーも動くなど、意味のないところに凝っていた。
当然、遊んでいると虚しくなる。当時大ヒットしていたものも、ちょっと視点を変えるとこんなもんなのさ、という皮肉の効いた作品。



悪あがきCG集

2000年8月11日・2DD×1・



純粋なCG集。Windowsで描いたCGのコンバートなので、あまり面白くはない。タイトル通りソフトが落ちたので急遽作ったものらしい。


STUDIO FG

ディスクステーションのスタッフの一人が立ち上げたサークル。プロの方だが、1992年以降は何本か同人ソフトとしてMSXのゲームをリリースしていた。そのためか、完成度の高い作品が多い。

「ODS」の製作にも協力していたようで、体験版がいくつか掲載されていた。
この他に「ぽはじき」「Pothllo」「POP BC」などのタイトルが存在する。



CRYSTAL OUT

1991年・2DD×1・



クリスタルの玉を転がして、画面上の子クリスタルを全て拾ってゴールに行くと面クリアというアクションゲーム。各面ごとに時間制限もある。
加速がかなりかかるので、コントロールが鍵。また面が進むと高低差や落ちるとアウトになる穴が出てくる。ルール的には「タイマーボール」と似ているが、こちらはマシン語で組まれているためずっと滑らかに動く。
ラウンドは100以上あり、ボリュームはかなりのもの。アップテンポなBGMもなかなかよい。



プログラマーJ

1992年・2DD×1・



プログラマーJ。彼は納期の迫ったゲームをアップするため、危険を伴う「バーチャル・デバッグ」のためにプログラムの中に飛び込んだ!

ゲームは変則的なシューティングゲーム。強制的に地形がスクロールする中、敵(バグ)を倒しつつ一定距離進むとステージクリア。
主人公には重力がかかっており、地形に挟まれる、穴から落ちる、そして現在の日付が納期を過ぎるとゲームオーバー。

現在の日付は少しずつ先に進む他、敵に当たると一気に進む。納期はときどき飛んでくる「いいわけ」アイテムを取ると伸ばすことができる。また、敵は必ずしも倒さなくていいため、むしろ避けることの方が重要。なんだか、プログラマーの実態を的確に表現しているような気がする(笑)。

面白いのだが、納期のない状態で次のステージに進んでしまうとコンティニューしても「いいわけ」が取れずにクリア不能になってしまうことがある。
あと、面が進んでも音楽(PSGながらカッコ良い)が変わるだけで外見が変わらないのが難点か。



AQUAMARINE

1993年・2DD×1・



「アクアマリン」。「CRYSTAL OUT」の続編ではあるが、加速状態で敵に体当たりして全て破壊することが目標となった。
敵は固定のものもあれば自機を狙って動くものもあり、前作とは全く異なる内容となっている。加速状態で壁に当たる、あるいは低速時に敵に当たるとダメージが蓄積し、LIFEがなくなるとゲームオーバー。
二人対戦も可能で、マニュアルではそちらがメインと書かれている。
背景に泳ぐ魚に意味はないが、ちょっと高級感があってよろしい。BGMは前作のアレンジ版。

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