MSX同人ソフト紹介(10/14)
SYNTAX/ぽっぷらいと
北海道の地で、ディスクマガジン「NV」(昔は「NVマガジン」)を1989年から2007年に至るまで発行し続けていた老舗サークル。現在もサークルは存続しているが、NVは諸事情により休刊中。
そんなNVを頭から紹介していると一生終わらないので、ここではNVの通常号以外のソフトについて書くことにする。
「ぽっぷらいと」は2001年頃に使われていたブランド名で、比較的ライトな内容の作品につけられていた。スタッフはSYNTAXと変わらない。
RS音楽集 ECHIKUSO5
1995年2月7日・2DD×1・500円・/
本来のタイトルは「R・SYSTEM決定版 BGMデータ音楽作品集 ECHIKUSO5」。SYNTAXのRPGシステム「R・SYSTEM3」でこれらのBGMデータを使うこともできた。
ECHIKUSOとは「越後屋クソ野郎」の略…意味が分からんぞ。NV投稿者4人のMuSICA作品集。この頃のMuSICA作品は非常にレベルが高かった。
TAKERUではSYNTAX名義で出ていたが、OB PROJECT(後のAGO SOFT)で製作していたようだ。4以前はTAKERUではリリースしておらず、OB PROJECTに通販申し込みをする必要があった。
94'春MSXサークルディスクパンフ
1994年3月27日(配布)/1994年6月1日(TAKERU)・2DD×1・600円・/
1994年春時点での体験版とサークル紹介を集めたソフト。「春のMSXフェスティバル」とあるが、イベントの詳細は不明(記録が残っていなかったが「R・SYSTEM傑作選」によると、東京文具共和会館のパソケットの中で勝手に名乗っていただけのようである)。先着100名に無料配付された後、TAKERUで販売された。
「TOMすけCLUB」のように通販しかやっていないサークルも含まれている。「アニージアルアトベンチャー」のみ、単体の投稿作品。
パンフディスク#2
1994年12月23日・2DD×1・/
上の「サークルディスクパンフ」の2号目に当たる。
サークル紹介は少なめ。体験版や、このディスクでしか遊べないオリジナルソフトが数本入っている。
右画面はSequenceの「まねしゅー」。一種のパロディゲームで、元ネタの一つに「アセンブラファイター」が挙げられており、背景を似せているのが分かる。
パンフディスク#3
1995年3月26日(配布)・2DD×1・/
「サークルディスクパンフ」3号目。内容はやはり体験版とサークル紹介。こちらは「'95春のMSXパーティ」に合わせて作られたもの。
中央の画面は「くまっくす」の「Goring」のデモ、右画面は「FM-GUAMUOM」の「サウスタウン☆ヒーローズ」の体験版より。
いまむら秀樹 日本横断ツアー記念ディスク 東京編
1995年5月3日・2DD×1・/
1995年のゴールデンウィークに行われた「東京パソケット(5/3)」「愛知Mフェスin豊田(5/5)」「東京PCCMフェアー(5/6)」「大阪パソケット(5/7)」に連続して参加した際に作られたディスク。
「日本横断ツアー」と言いながら、実際は東京・名古屋・大阪の3ヶ所だけ。そして「東京編」の他に「名古屋編」と「大阪編」が存在するが、中身は全部同じでタイトル画面だけが違っている。特定のキーを押しながら立ち上げると、別のタイトルになる(笑)。
MSXキャラバン おまけディスク
1995年7月23日・2DD×1・/
1995年7月23日〜8月6日にかけて全国で行われたイベント「MSXキャラバン」で無料配布されたSyntax製のディスク。通常のNVマガジンの体裁とだいたい同じ。
この直後の1995年8月26日に「夏のMSXパーティ」というのが東京の科学技術館で開かれたので、その予告も兼ねていた。
1995年7月に雑誌MSX・FANが休刊したばかりの頃で、この夏はユーザー側で開催するイベントがいくつもあった。
パンフディスク#4
1995年8月26日・2DD×1・/
「夏のMSXパーティ」で配布されたもの。上の「MSXキャラバン」から一ヶ月経っていないが、よく出したもんである。やはり内容は体験版とサークル紹介。
夏のMSXパーティ サポートディスク
1995年・2DD×1・/
1995年8月の「夏のMSXパーティ」の後に発行されたディスク。主にイベントレポートがまとめられている。
今考えると、Webに載った内容は数年経つと読めなくなっているものが多いが、こうやってフロッピーにまとまっているものは保存されていて今でも読める、ある意味貴重な資料である。
R・SYSTEM傑作選
1994年・2DD×2・/
通称「RSDM#1」。当時SYNTAXが発表していたRPG製作システム「R・SYSTEM」で作られたRPGを7本+体験版1本を収録したもの。
確かこの頃のR・SYSTEMはバージョン2であった。フォントが縦長なのが特徴で、正直言って読みにくかった。ついでにturboRでないと非常に遅かった。
R・SYSTEM傑作選 第2集
1995年?・2DD×2・/
こちらも7本収録。R・SYSTEMはベースがBASICで作られていて割と簡単に改造が効いたこともあり、沢山の作品が作られた。
RSDM#3
1995年・2DD×2・/
この号から「RSDM」というタイトルになる。前2号を踏まえてのものなのでいきなり「#3」なのだろう。DMというのはディスクマガジンの略称として当時よく使われていた。
R・SYSTEMはこの頃にバージョン3となって、実行速度もそれなりに速くなった。ただ、やはりturboRでないと辛いところもあったが…。
「エターナルドリーマー」は初期の代表作の一つとして知られる。また、「大江戸捕物帳」(右画面)など、いわゆるファンタジーっぽくない作品が出始めたのもこの頃からである。
RSDM#4
1995年・2DD×2・/
RSDMの4号。それにしても作品数が多いことに驚かされる。
右画面の「ジョーカホリック」は絵が異様に固いが、全編がダジャレで埋まった怪作であった。
「おれのなまえは ウマシカ・チョーク。国立ダジャレせんもん学校の 1ねんせいだ」
RSDM#5
1996年1月17日・2DD×4・/
RSDM5号。4枚組だがゲームが収録されているのは2枚で、3枚目はバージョンアップした「R・SYSTEM3.1」の本体、4枚目は1996年の年賀ディスク(投稿者からのイラストを集めたもの)となっている。
NV北海道 #1
1995年・2DD×1・/
元々NVは北海道発であるが、この頃には全国から投稿者が集まるようになっていた。そんな中で改めて北海道民の投稿者を集めて作ったのがこれ。
全体として1枚絵のCGが多い傾向にある。Vol.1とあるが、もともと試験的な企画だったので2以降は出ていない(はず)。
NV体験版'98
1998年2月22日・2DD×1・/
NVの体験版。この号にはタイトルCGがなく、モノクロのデモが入っている。「WE LOVE MSX」とか出てきて、今見ると恥ずかしいかもしれない…。
当時連載されていたいくつかのソフトを遊べる。「OUTBURST」はシミュレーション、「ちょこまかREMIX」はRPG、「ぱけぱけ」はパズルゲーム。どれもかなり良く出来ていた。
たまには夜空を見上げて。
2001年・2DD×1・/
「たまにはそらをみあげて」と読む。リアルタイム性のないパズルゲームの一種で、できるだけ多くの星を線で結ぶのが目的となる。
線と線は交差できないが、始点の星を自由に設定でき、3つ以上の星さえ結んでしまえばとりあえずクリアはできる。ゲームとしての難度はプレイヤーの向上心次第というのが珍しい作品。
クリアそのものに努力が必要ないのと、完成した星座がどうにも美しくないのでちょっと微妙なゲーム。星座の紹介(右画面)はなかなか凝っている。
カーニバルボムリー
2001年・2DD×1・/
「ぽっぷらいと」名義の作品。
先読みアクションゲームとでも言うようなゲーム。常に跳ねている緑色の「ボムリー」を、落ちないように右へ進めていくのが目的。
ボタンを押しているかどうかで飛距離が1マスもしくは2マスで変わる。気がつくと追い詰められて落ちてしまう状況に追い込まれがち。
CARNIVALボムリングDeluxePack
2001年・2DD×1・/
こちらも「ぽっぷらいと」名義の作品。
「ちょこまかパズラーズボムリング」「カーニバルボムリング2・SKYBLUE」「カーニバルボムリング2・YELLOW SUNSHINE」の3本パック。
どれもパズルゲームで、ジャンプでしか移動できない「ボムリー」を操作し、ゴールを目指す。踏むパネルによって飛び先や罠があり、適当に進むとすぐに動けなくなる。
斜め移動がちょっと分かりにくいのが難点だが、ゲームとしてはなかなか面白い。
TAKO-SYSTEM
和歌山の二人サークル。技術のなさを地道な努力と人柄で乗り越えていた、ある意味凄いサークルである。
主にディスクマガジン「Heartful Disk」シリーズをリリースしている他、単品ソフトがいくつか存在する。
またMSXのソフトではないが、ラジオ番組風の「Heartful TAPE」というのも9号程度出ていて、イベント会場で関係者へのインタビューを敢行するなどかなりの力作であった。最初はカセットテープのみだった(当時は記録できる媒体がテープしかなかった)ものが、後からMDやCD-Rが使えるようになるにつれ「Heartful TAPE MD版」「CD版」などと妙な名前になっていった。
今も現役のサークルではあるが、MSX電遊ランドが開催されるようになってからプロモーションビデオの製作に駆り出されることが多くなってソフトのリリースが減ってしまった。最近はHeartful Diskの増刊号「どやさ」シリーズを頑張ってリリースしている他、プロモビデオのDVD版も作っている。
Heartful Disk vol.1
1995年?・2DD×1・/
割とストレートに作られたというハートフルディスク1号。マウスがない状態だと、操作性がやたらと悪かった。
それでも、漢字BASICは使っていないためMSX2で動作する(漢字を使うときにMSX2+以降を要求するソフトが多かった)。
Heartful Disk vol.2
1996年?・2DD×1・/
ハートフルディスク2号。この号から毎号何らかのテーマを持って作られるようになった。今回は「関西風味」ということで、冒頭に「あんソニー」と「ぱーなソニック」(どういう名前なんだ?!)の漫才ショーが入る。この漫才ショーに凄い力が入っていて、立ち上げるたびに演目が変わる。種類も多い。強引だが、アニメもかなり頑張っているぞ!
その他の内容は前号とだいたい同じボリューム。メニューのアイコンを選んだ後の操作性が良くなっている。
Heartful Disk vol.3
1996年・2DD×1・/
今回は「恋愛」がテーマらしい。オープニングのアニメーションでは、横で見ていてこっぱずかしくなるような内容が繰り広げられる。
Heartful Disk vol.4
1998年3月21日・2DD×2・/
今回は「パロディ」がテーマ。中央の画像の元ネタは当時としても微妙に古かったが、凄いヘロヘロの文字だなあ。でもアンチエイリアスは丁寧にかけているのがお分かりかと思う。ここのソフトは全般的に実直というか、朴訥な作りでありました。
この号だけ2枚組で、2枚目は恋愛シミュレーション「告白」の体験版。
Heartful Disk vol.5
2000年10月・2DD×1・/
ハートフルディスク5号。この号からDMシステム2を取り入れて、BGMが鳴ったり音声が出るようになった。
冒頭で季節を選ぶことができ、それによって一部のサブメニューの内容が変わったりする。各コーナーの分量が減ったように見えてしまうので、あんまり意味がないような?
芸術館でピカソ気分 出張版 VOL.1
1996年・2DD×1・/
Heartful Disk各号のCGコーナー「芸術館でピカソ気分」が独立したディスク。CG7枚とコメントを収録。しかし、オープニングの「ぎゅわんぶらぁ自己中心派」そのまんまのアニメの方に力が入っているような気がしてならない(笑)。
告白 -declare-
1998年・2DD×1・/
単独作品としてリリースされた恋愛シミュレーションゲーム。画像はHeartful Disk vol.4の体験版より。
アイコンやスケジュールのシステムなどに「プリンセスメーカー」の影響を受けているようだ。
どやさ VOL.1
2005年5月・2DD×1・300円・/
「Heartful Disk増刊号」に当たる…が、タイトルの意味は分からない。調べてみたら、関西弁のようだ。今いくよ・くるよの持ちネタとして有名らしいが、関東では聞かない。
内容はプログラマーの方が全部作っていて、もう一人は関わっていないらしい。これの出た2005年5月のイベントはあまりにも急に決まったので、製作時間がほとんど無かったと見える。内容は韓国旅行記といったところ。
どやさ VOL.2
2006年・2DD×1・300円・/
「どやさ」2号。内容は前回とあまり変わらず、テキスト主体。
マニュアルにもソフト内にも奥付がないので、発行された日が分からなかった。
どやさ VOL.3
2008年8月16日・2DD×1・300円・/
「どやさ」3号。コミックマーケット74に合わせて製作されたもの。
「Heartful Disk VOL.2」の漫才ショーが復活!「あんソニー&ぱーなソニック」が新ネタを披露してくれる。
しかし当時の資産を使い回しているせいで、タイトル画面が「ハートフルディスク関西風味記念」になっているのはご愛嬌。もちろんネタとして突っ込まれている。
ちなみに「どやさ」にはMSXPLAYer組込済みのCD-R版も存在する。
どやさ VOL.4
2014年8月16日・2DD×1・400円・/
創刊10周年となった「どやさ」4号。コミックマーケット86に合わせて製作されたもの。
「新作何年ぶりやねん!」の答えはディスクラベルにあり、実に6年ぶりである。
漫才ショーでは「LINEの乗っ取りサギ」ネタが。新しい!と思いきや、現時点(2015年3月)では既に若干の懐かしさが。時代の流れが速くなった…。
しかし「関西風味」当時の看板は未だに変わっていないのであった。
どやさ VOL.5
2014年12月29日・2DD×1・400円・/
「どやさ」5号。まさかの連続発行!しかし内容は相変わらず薄い。
東京スカイツリーの訪問記と相変わらずの漫才ショーである。
「関西風味」のまんまの看板も来年で20周年だぞ!
Team Phantom
(詳細不明、情報募集中)
煩悩無用
1991年・2DD×1・/
神経衰弱ゲーム。同じ番号をめくるとスコアが溜まり、ステージごとの目標値に到達するとクリア。
最初の方の面だと1組当てただけでクリアになるが、後半戦は大きいカードをうまく狙って取らないとけいない。
クリアのたびに女の子が脱いでいくCGが出る(右画面)。
ここだけインターレスモードで表示される。もともとMSXのソフトとして作られたものではないようだ。
起死回生
1992年・2DD×1・/
カードゲーム。同じ模様のI〜Vを相手より先に集めるとクリア。番号ごとに全体の山にある枚数が異なるため、入手しづらいカードをいかに手に入れるか、見極めるのが大事。少し工夫されているが、相手が早上がりしてしまうと為す術はない。
これもクリアのたびに女の子が脱いでいくCGの出る、古いタイプの同人ソフト。カーソルキーの上下で2画面分あるCGをスクロールして鑑賞できるのが前作との最大の違い。
同人ソフトとしては珍しくプロテクトがかかっていて、引っかかると一人目の最初のCGを見た後に通信販売先が表示される。
Team RM
(詳細不明、情報募集中)
と〜きんぐななちゃん
1994年・2DD×1・/
割と珍しい「人工無脳」系の会話ソフト。ただディスクに異常があるのか、手元のソフトでは最初の会話を入力したところでエラーになってしまい先に進めない。
なぜか最初のメニューで服やBGMを選べる。
翌年「Remix」バージョンが出たようだが、詳細は不明である。
TEAM-PMK
姫路にあったサークル。単体の活動よりも、オランダ製のSCSIカートリッジ「G−SCSI」などの輸入を手がけたことでよく知られる。
逆にソフトウェアについてはあまり知られていない。同じ関西のサークルであるWOODSOFTや、会報を作っているサークルを通して情報を発信していた印象が強い。
Disk-F5F5 vol.5
1994年3月20日・2DD×1・/
「ディスクランラン」と読む(MSXは「F5」キーにrunコマンドが割り当てられていたため)。
内容はテキストが主体で、内輪向けの会報といった感じ。印刷すると高かったので、こうしてソフトウェア形式で配布する方が安価に済む、という理由から作られたディスクマガジンも当時はいくつか存在していた。
メニュー画面の曲が調子外れの「ストリートファイターII」の曲なのがおかしい。
T-H-K-s.
「ライちゃん激戦記〜りたーんず〜」をTAKERUでリリースしたサークル。
ライちゃん激戦記〜りたーんず〜
1996年2月19日・2DD×1・700円・
パソコンに宿る電子妖精「ライ」がいきなり自分のMSXから出てきてしまい、MSXが動かなくなってしまった!同じ頃、友人のMSXにも同じ異変が…?
電子妖精がみんな美少女だったり、いかにも90年代な設定のアドベンチャーゲーム。なぜか章の最後にクイズゲームが入り、勝つと敵が脱ぐオマケがつく。TAKERUの審査を通ったソフトなので描写自体は大したことはないが、意味もなく脱ぐあたりが(当時としても)いささか古かった。ストーリーも割と一方的に進んでしまうためにそんなに面白くはない。音楽が非常に良かったので最後まで遊ばせる勢いはあった。細部の作りはかなり丁寧で、作者の愛を感じるソフトではある。