MSX同人ソフト紹介(12/14)
UT-魚魚
「アンドゥタイマーうおざかな」と読む。作品集「YASUO WORKS」のサークル名。
これまでに兄弟二人で作ったMSX作品を一つにまとめたもの。ディスクマガジン形式ではあるが「個展ディスク」と自称していた。
作品の性質上単独でのサークル参加は行わず、販売は犬橇舎を通して行っていた。
YASUO WORKS
1996年1月4日・2DD×1・100円・
個人作品集。一部MSX・FANの投稿作品も含まれている。メニューに「ぱぁてぃ☆むぅん」と同じM.K SOFTのシステム「えむぐい」を使っている。数編収録されたアニメーションが非常に面白い。
VERNET
同人誌「VERNET」を発行していたサークルだが、通販主体であったためかあまり出回らなかった。10号以上あったようだが、詳細は不明。
ソフトとしてはここに紹介した「Super Disk VERNET」が存在する。このソフトは割とあちこちに宣伝を見かけた記憶がある。
Super Disk VERNET vol.1
1995年・2DD×2・/
サークル「VERNET」のディスクマガジン。vol.1とあるが、vol.2以降はないようだ。
テキスト主体のAdiskと、ゲーム「数研クエスト」を収録したBdiskからなる。
Vexation MAX
「#6」「Pia」シリーズなど、数本のバラエティソフトを出したサークル。MSX同人界でも屈指の怪しいセンスを持っていた。
この他に「かにがいる」という「#6」の続編?にあたるソフトも開発されていたようだが、発表されたかどうか不明。「MSX同人WORLD#3」にデモが入っている。
#6
1995年12月15日・2DD×2・800円・
「しゃーぷ・ろく」と読む。PCMによってあちこちで喋る、一種のディスクマカジン…なのだが、内容は正気を疑うような文章、キテレツな音楽、意味不明のゲームなどで充満している。
メニューの繋がりも独特すぎて、迷ってしまってメインメニュー(画面右)に帰ってこれない遭難状態に陥ることがある(笑)。音声の怪しさも含めて、この狂いっぷりを説明するのは難しい。とにかく笑える。
マニュアルではMSX2以降対応なのだが、バグで止まってしまう所があるのでturboR専用とした(turboR以外で確認をしていなかったそうだ)。
そのことについて、当時パソコン通信で作者にキツいコメントを送ってしまったことはちょっと後悔していたり。ゴメン。
WAX-G2
コンパイルの「ディスクステーション」に掲載されていた「あーとぎゃらりー」の常連投稿者の方。ただし掲載時の名前は本名だったようである。
「WAX-G2」もサークル名ではなく個人のペンネームのようだが、特に代わるものもないようなのでこのまま紹介する。
WAX-G2 SELECTION Vol.1
1991年12月30日・2DD×1・
WAX-G2氏の個人CG集。女の子のCGが多い。丁寧に描かれていはいるが、画風はこの時期としてはやや古い。
FM音源のBGMがついている。
WOODSOFT
神戸の老舗サークル。2008年現在も活動している。既にMSX向けのリリースはないものの、一貫して音楽系サークルとして知られている。
(しかし、2008年8月リリースの「MSXを10倍楽しむディスク」ではコミケ会場限定ながらもMSX2用フロッピーディスクがおまけに付いた!)
MSXでは音楽中心のディスクマガジン「PROGRAM STUDIO」シリーズ、MIDIデータ集「MUSIC SHAKE」シリーズを中心にリリースしていた。
PROGRAM STUDIO VOL.2
1991年3月11日・2DD×1・
「PROGRAM STUDIO」の2号。FM/PSG対応曲が全71曲収録されている。
ツール類やMSX2+対応のレイトレーシングCGなどもある。
どうやら作りためたものを合体させたようで、個々のメニューの階層が深く、中画面のように年の表記が異なる箇所がある。
画面のものは「Ver.2.0」となっており、VOL.3(VOL.2++もあったらしい)の発売後に改版されたものらしい。
PROGRAM STUDIO VOL.3
1992年・2DD×1・
初期WOODSOFTの最高傑作と自称されている、「PROGRAM STUDO」の3号。
このシリーズはゲームミュージックのコピーが主体で、「イースI」「イースII」はスペシャルアレンジバージョンと称して全曲収録している。
ゲームミュージックの他はなぜかツールの「住所ろ君」がマニュアルの半分以上を使って解説されている。
これはturboR専用だが、MSX2対応版も別に作られていたようだ。
画面はVer.1.1のもの。Vol.2にあった奥付がマニュアルにないため正確な発売日は不明。
PROGRAM STUDIO VOL.4
1992年・2DD×1・
「PROGRAM STUDIO」の4号。今回は「イースIII」の全曲収録が目玉。
その他もほとんど全部ゲームミュージックである。とにかく作ったものを片っ端から入れたようなとりとめのない内容のシリーズである。
O・RE・LO #5
1995年・2DD×1・100円・
レビュー&フリーウェア集の第五号。起動するとタイトルCGが表示されて、メニュー画面(中画面)から10本程度のテキストが読める。
他に圧縮ファイルのままフリーソフトが数本収録されている。
WORKING・SOFT
ソフトベンダーTAKERUで「JUSTWOK」をリリースしたサークル。
JUSTWOK
1995年8月15日・2DD×2・
「ジャストゥーク」と読む。turboR専用の格闘ゲーム。
4人のキャラクターの1対1対戦で、攻撃ボタンと必殺技ボタン(通常攻撃は出ない)に分かれているのがシステム面の少し珍しいところ。
ストーリーモードでは勝ち進むことによってそれぞれのお話が進行する。
スプライトを使っていないこともあって動きが重く、あまり目立った特徴がない。
XelaSoft
オランダのサークル。「MOD PLAYER」及び「MOD TRACKER」をリリースしていた。
MODというのは元は海外のPCである「Amiga」シリーズ用の音楽フォーマットで、様々な機種に移植された。国内ではさほど知られていないが、いわゆるメガデモのBGMにはかなりの割合で使われたと言う。ただ、MSXはパワー不足なので聴くだけで精一杯である。
MOD PLAYER
1993年・2DD×2・
Amiga用音楽フォーマットのMODをMSXで聴くことのできるツール。録音してある音の要素の周波数(=音程)を変えながら、組み合わせて曲として鳴らすのがMODである。同時に4チャンネル鳴らすことができるのはAmigaのハードの仕様から来ているが、MSXはPCMが1チャンネルしかないために演算で再生周波数の変化と合成を行っている。
凄いのはMSX-Audioにも対応しており、その場合内蔵PCMと別々に接続することによりステレオに、さらにMSX-Audioを2本使うことでより高音質なステレオで楽しめる、らしい。
さすがにAudio2本は試したことがない。
ディスク2枚組だが、2枚目はMODのサンプルデータだけしか入っていない。一般に流通しているMODデータも聴けるが、ファイルサイズに応じてMSXにRAMを追加しておく必要がある。
また、MODデータをMSXで作成できる「MOD TRACKER」も後に作られた。
Xray
高校の部活から発生したサークルで、元々は学園祭で出されたという「F-nano2」シリーズの製作元。シリーズを2本発表したあと、シューティングゲームを製作していたが完成はしなかったようだ。他に、F-nanoシリーズで使われた音楽ドライバ「MPK」をツールとしてまとめて発表している。使い勝手の良さから今でも愛好者が多い。また、部活の後輩が作ったサークル「Delta-Z」がある。
3D CAR ACTION F-nano2
1994年11月7日・2DD×1・1500円・
発表当時、まさにMSX界のドギモを抜いたレースゲーム。
画面を上からSCREEN4、SCREEN5、SCREEN3に分割して、VRAM転送量の少なくて済むSCREEN3をメイン画面とすることによってスピード感のある3D表現を実現した。こんなのが作れるとは誰も思っていなかったし、しかも抜群に面白かった。また、スピード感を殺さない工夫がいろいろと盛り込まれている。
名前からして「F-ZERO」に影響を受けているのは明らかだし、実際基本的なところはよく似ている。最大の違いは、全ての車は全て走行記録を元に走っており、車同士に当たり判定がないということ。これによって、常に自分の記録と戦うことになる。当初の記録データはワザと遅く走っているので、一通り自分の記録で塗り替えるのは難しくない。その時から本当の挑戦が始まる。
画面はこの通り荒いが、FM音源によるBGMが抜群に良く出来ていた。全コースに違う曲があり、コースによってはマシン毎に曲が変わるものまである。
さらにはturboRを4台繋いだ通信対戦モードもある(ディスク内に収録された回路図から、接続ケーブルを自作する必要がある)。
コースによっては特定の車種でまず勝てなかったり、縁石との衝突判定がドットで行われているなど荒っぽい作りもあったが、turboR専用としては最も完成度の高いソフトだろう。
3D CAR ACTION F-nano2'
1997年11月24日・2DD×1・1500円・
F-nano2の続編…というより、新データ版。
コースと曲、ストーリーモードのグラフィックなどは全て新規のものとなっている。曲やグラフィックは全体として質がだいぶ上がっている。システム面では、わずかにあった画面のチラツキが解消されていることと、前作は最大5台までだったのが、7台まで走るようになった。
前作では最終コースだけは走り込まれた最強データが入っていてほとんど勝てなかったが、今回は開発に時間がなかったせいか、割と適正なバランスに仕上がっていた(笑)。
今は終了しているが、生成されるファイルをアップロードすることで、インターネット上のランキングが更新されるシステムも作られた。予定では走行データのダウンロードもできる予定だったが、これは実施されなかった。
1997年11月23〜24日に開催されたMSX WORLD EXPO'97で初売り予定であった。しかし開発が遅れて閉場ギリギリに駆け込みとなってしまい、2日目に3本しか作って来れなかったのを覚えている。それもイベント内で売ることはできず、片付けに入ったスタッフ相手に完売した(笑)。そのため、発売日はWORLD EXPOの2日目としている。
YECぷれぜんつ
(詳細不明、情報募集中)
わたしのアンデッド <大魔王復活>
発売年度不明・2DD×1・
独特の絵柄が可愛らしいパズルゲーム。全50面。
3種類の魔法をうまく使って、画面内の敵を全滅させるとクリア。魔法はそれぞれ弾の飛んで行く方向が異なるので、うまく使い分けないといけない。数面クリアするごとに中画面のようなストーリーが進行する。
ちなみにこのタイトル、テレビアニメ「世界名作劇場」シリーズ、「わたしのアンネット」(1983年)のパロディらしい。もっとも、内容には全く関係ない。
このMSX版の他にPC-9801版も存在するとのこと。
烏龍茶会
1994年・2DD×1・
烏龍茶の缶を使ったパズルゲーム。
うまく回転させて上下の絵柄を揃えると消える・・・のだが、ペットボトルが主体となった今見ると缶入りの烏龍茶というもの自体が非常に新鮮に見える。
当時の缶の雰囲気をうまく再現しているが、細かいところは見えないためにどの絵柄が同じ缶のものかを見極めるのが難しい。
ほとんどが茶色の缶ばかりの中で、黒い「伊藤園」と上下に帯のある「サントリー」の缶を目印にすると遊びやすい。
この作品のディスクラベルには「ぴあす」というサークル名が書かれている。タイトルの右下には「YECぷれぜんつ」と書かれているが、サークル「ぴあす」の制作部隊が「YECぷれぜんつ」だったそうだ。
Y・F SOFT
岩手の一人サークル。アドベンチャーゲーム「あやしい薬」「あやしい薬2」と、ロールプレイングゲーム「クエスト野郎」、あと「アクアロード」の計4本をリリースしている。
グラフィックはMSX同人の中でもかなり素朴。しかし特に「あやしい薬」シリーズのシナリオは評価されている。
あやしい薬
1993年12月2日・2DD×1・
短編アドベンチャーゲーム。キャンプにでかけた「おれ」と「すずき」は、山小屋の中で叔父の遺体を見つける。その地下で研究されていた薬を飲んでしまった「すずき」は力を得て世界に襲いかかった!
絵は下手だし音楽もないしストーリーもすぐ終わってしまうが、所々にある抽象的な表現の残酷描写が非常に怖い。「すずき」は最後に残っていた良心で自滅してしまうのだが、唐突な展開ながら妙に印象に残る作品だった。
あやしい薬2
1994年4月6日・2DD×1・
前作の続編。ストーリー上あまり密接な関係はないが、前作の主人公の子供がが今回の主人公のようである。
現金輸送車を襲う計画を立てた「おれ」と「とねがわ」は警備の反撃にあい、「とねがわ」は死んでしまう。救われた主人公は「あやしい薬」を「あくまセンター」から盗み出してくるよう指示される。
「あやしい薬」は、前作に出てきた薬。正体は前作同様に明確にはされないが、込められた怨念により自分を除いた人々が死に絶えてしまう!
「おれ」は「あくまセンター」のあるじである「ヤマムラ」と戦うことになるが…?
前作とディスク枚数は変わらないが、内容的にはだいぶ長くなっている。
やはり抽象的な描写がやたらと怖くて印象に残る作品。
クエスト野郎
1997年・2DD×1・
ロールプレイングゲーム。割と真っ当な作りだが、このサークル独特の言い回しや雰囲気は健在である。
前2作と違い、なぜか全体にくだらないギャグが充満している。
またこれまで効果音のみだったのが、PSGのみながら良いBGMが流れるようになった。フィールドの曲が特に良い。
持っているのはバージョン1.1とあるが、TAKERU版は無印らしい。また、バージョン1.2も存在するようだ。
YOSHIX
熊本のサークル。MSX・FANの「ファンダム」の投稿者として知られている。
MSXではディスクマガジン「徒然雑草」シリーズを出していた他、後にWindows95向けにMSX時代の作品のリメイクや「ピュアファイターえりか」といった新作をリリースしていた。
徒然雑草 創刊号
1991年4月1日・2DD×1・500円・
「つれづれざっそう」。割と普通のディスクマガジンである。MSX・FANに掲載された作品のいくつかが再録されている。
ちょっと珍しいところで、スタッフのコメントが音声で収録されている。
徒然雑草 第二号
1991年10月1日・2DD×1・500円・
徒然雑草の2号。やはり割と普通のディスクマガジン、という程度の印象しかない。
この号にもMSX・FANに掲載されたソフトの再録と、THE LINKSのプログラムコンテストで入賞していた「タコハゲ物語・番外編」(右画面)などを収録している。