MSX同人ソフト紹介(14/14)

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こば

北海道の一人サークル。「NVマガジン(現:NV)」のCG投稿者で、そちらに投稿した作品をひとまとめにした「ひとりごと」と、続編「ふたりごと」を発表していた。「ふたりごと」には他の投稿者の方も参加している。



ひとりごと

1996年8月・2DD×1・



個人CG作品集。簡単なディスクマガジン形式になっていて、メニューと音楽がついている。CGの描き方を解説したコーナーもある。
こばさんは独特の絵を描く人でファンも多かった。
音楽は故・白い鰹さん。



ふたりごと

1998年・2DD×1・



個人CG作品集第二弾。「ふたりごと」なのだが、「司書」さんと「佐藤もしもし」さんが参加して三人になっている。やはりディスクマガジン形式を取っている。
アンチエイリアス(当時はジャギー消しなどと言った)の掛け方など、かなり進歩しているのが分かる。


ジャラキーマ

一人サークルというより、一個人。「NVマガジン(現:NV)」に投稿していた「ミニミニDM」をまとめた「ジャラキーマのTHE区切り!#1」を一本発表したのみ。
ちなみに今でも開催され続けている「南関東MSXユーザーの集い」の主催者でもある。



ジャラキーマのTHE区切り! #1

1997年?・2DD×1・



「ミニミニDM」である「ジャラキーマのザク切り!」の総集編。「ミニミニDM」というのは、単独のディスクマガジンである「NVマガジン」内で募集していた、テキスト主体のプログラムのことである(メニューを持って複数コーナーを持っているものが多かった)。イベントレポートなど、個人の視点から見たそこそこ長い文章が書けるのが特徴で、「ザク切り!」は特にそれが面白かった。当時のイベントの記録はあまり残っていないため、今となっては貴重な内容である。

#1とあるが#2以降は出ていない(本人からの情報)。イベント販売・通信販売などはしていなかったが、Syntax運営の「MSXディスクライター」で手に入れることができた。


鈴見咲製作所

大阪の一人サークルTAKERUで独特すぎるシューティングゲーム「ListPeriod」をリリースした。その後に「Meteolite Kiss」というソフトの体験版が存在したが、こちらは完成しなかったようだ。



ListPeriod

1996年11月15日・2DD×1・800円・



「リストピリオド」と読む。由来はBASICのダイレクトコマンドの「list.」(エラーが出て停止した最後の行を表示する)から。どうやら敵はプログラム中のバグで、自機に乗ってそれを潰すという設定らしい。オープニングデモは文章だけで、酒の席の会話として語られるストーリーが妙に印象に残る。

ゲームは縦スクロールシューティングゲームであるが、全体としてかなりのスローテンポで進む。音楽もグラフィックも独特のセンスがあって、無機質な雰囲気がちょっと怖い。キャラクターが大きいのと、嫌らしいアルゴリズムでこちらを追い詰めてくるので普通に遊ぶと見た目以上に難しい。

敵に接近して破壊するほど得点が高くなるという特徴があり、自機がやられた後の無敵時間を利用して敵に完全に重なって破壊することで物凄い得点が入ると共に次々と1upするため、それに慣れると非常に簡単になってしまう。作者がそれを狙ったのかどうかはよく分からないが、スコア競争が一部で流行した。

MIDI音源にも対応していた数少ないソフト。


鉄道情報ソフトウェア

(詳細不明、情報募集中)



じぇいあーる君plus

1993年9月・2DD×1・



MSX用の実用?ソフト。乗車駅と降車駅を選択すると、営業キロの合計から運賃を計算できる。全国のJR駅を網羅しているものの、乗り換え経路や時刻までは教えてくれない。
実用一点張りで、特にこれといった遊び心もないのが残念。
同人ソフトというジャンルには、稀にこうしたスタンスのソフトが存在していた。


電脳しぉしぉ企画

(詳細不明、情報募集中)



TACTICAL UNIT

1994年・2DD×1・



割と純粋なシミュレーションゲーム。オープニングデモとして出てくる兵器の紹介がなかなか格好良い。
市販のシミュレーションほどではないが、MSX2用ということもあって1ゲームにかかる時間が長い。


てんぴんソフト

(詳細不明、情報募集中)



チューリップ壱号 〜New World〜

1991年8月17日・2DD×1・



ディスクマガジン形式のソフト。福笑い、坊主めくり、クロスワードパズルなどが収録されており、ミニゲーム集というほうが近いかもしれない。
福笑い(中画面)で本来の顔に近いものができると下着姿の女の子の絵が出たり、坊主めくり(右画面)のカードがパンツだったりと、微妙なお色気要素がある。
次回予告として「チューリップ弐号 〜アンドリュース〜」の予告があるが、出たかどうか不明。


でんでんむし

(詳細不明、情報募集中)



WERE SLAYER

1993年・2DD×1・



「ワー・スレイヤー」と読む。4人対戦のスゴロクRPG、「ルーンマスター」シリーズ(コンパイル)を意識した作り。
BGMがないのが寂しいが、グラフィックが非常に鮮やかである。動作も軽快で、テンポよく遊べる。
要所にあるイベント戦はなぜか女の子モンスターが出てきて、勝つとHなことができてしまう。HPが減るのと絵が見られる以外のメリットは不明。


謎の指宿温泉

「なぞのいぶすきおんせん」と読む。パソケット時代から活動を続けていた老舗のサークルで、版権ものの18禁が主体というMSXでは割と珍しいスタイルを最後まで貫いたサークルであった。



美男子紳士まもちん2

発売年度不明・2DD×1・



「美少女戦士セーラームーン」のキャラクターを使った野球拳ゲーム。
野球拳を始める前のアドベンチャー(中画面)がノーヒントで判定の狭い中をクリックせねばならず、非常に面倒くさい。



夏だ一番!おにゴッコ

1995年・2DD×1・



タイトルに書いてあるが、「魔法騎士レイアース」のキャラクターを使った鬼ごっこ?ゲーム。
ターン制のカードゲームで、全てのターンが終了した際に自分が「おに」になっていなければ勝ち。長いリードを取ることはできず、どんな状況でも3ターンほどあればタッチされてしまうためかなり運の要素が強い。

なぜかBGMの一部に「イース」の曲がそのまま使われている。



クルクルPANEL

1995年・2DD×1・



これのネタ元はよく分からないが、識者に確認したところどうやら「怪盗セイント・テール」のキャラクターらしい。
システムは簡単なジャンケンゲームである。パネルをめくって枚数を競うものだが、結局勝った数が全てなので全くの運勝負である。



トモヨチャンネルD

2000年8月12日・2DD×1・



実はこれは未完成のソフト。同名のソフトに使われる予定だったCG(描きかけを含む)のみを収録したもので、右画面のコメントを読めば分かるように、同サークル最後のソフトとなるはずの作品であった。ちなみにCGは「カードキャプターさくら」のキャラクターらしい。


ぱぁぷる・れい

NVマガジン(現:NV)の投稿者が集まって作った「Project F/N」の製作サークル。



Project F/N

1997年・2DD×1・



音楽+CG集。曲によっては歌詞がカラオケのように流れる。フロッピーディスクの他に冊子がついていた。曲データを集めただけの素っ気ない音楽集が多かった中、この工夫はなかなか面白かった。ところで「F/N」って何なのかは今でも分からない。

本編のディスクは1枚だが、買ったときにスタッフの一人の作品集がオマケで貰えた記憶がある。


バグ猫ソフト

一部で有名なプログラマー「たいにゃん」氏の同人サークル。1980年代前半からプロとして作品を作っていた方であるが、同人ソフトを1990年代に発表していた。
MSXがメインではなかったが、移植の形で発表されたものが以下の2本だけ存在する。他は主にPC-9801用であった。



SHAM CITY

1990年4月29日・2DD×1・800円・



「シャム・シティー」と読む。バグ猫ソフトのデビュー作。
妖精の国にまぎれこんだ「たいにゃん」が一夜のうちに花を全て食べてしまい、世界は荒れ地になってしまった。妖精たちの最後の力を貰って、世界を修復するのがプレイヤーの仕事となる。

要は「シムシティ」の亜流だが、プレイ開始直後の地形に何も置かれていないため、方針をどう立てていいのか分からない。
とりあえず適当に遊んでいたら、あっという間に荒れ地だらけになってしまった。



点取III’90

1990年10月25日・2DD×1・800円・



かつて駄菓子屋などで売られていた「点取占い」をシステムに組み込んだ、凄いと言えば凄いソフト。
スゴロク+RPGのような内容で、サイコロの代わりに点取占いの点数が使われる。「点取占い」独特の変な文句はシステム上の関係はないが、いちいち再現されていて面白い。

ちなみに「III’90」となっているのは、当時PC-9801用にシステムソフトから出た「大戦略III’90(ナインティ)」に影響を受けているのだろう。
これは当初「大戦略III」が出たものの、あまりの遅さにすぐに改修版「’90」が出たので、当時はギャグのネタとしてよく使われていた。
MSXにおける「F−1スピリット3Dスペシャル」みたいなものか。


はちみつでーもん

(詳細不明、情報募集中)



RIOT

1990年・2DD×1・



18禁の野球拳ゲーム。掛け金(オッズ)を自分で決める野球拳というのはちょっと珍しい。
当然勝つと相手が脱ぐが、これが極めて独特な絵で、ごほうびとしては微妙である。相手は全部で5人。

マニュアルにも書いてあるが、アニメーションに凝っているため操作性が非常に悪い。
もっとも音楽が終わるまでの間に自分の手を決めるだけなので、それほど問題ではない。


はなえちゃんソフト

かなり独特の美少女を描くことで知られる、神奈川の一人サークルTAKERUで出た「スゥイート」は一時期トップの人気を誇った。今日的な美少女の絵とはだいぶかけ離れているが、当時としてもかなり独特な絵という評価がされていたと思う。音楽も独特ながら静かで落ち着いており、内容に合っていた。

TAKERUでリリースされたのは2作あるが、単独の作品は「スゥイート」のみで、「FLOWERS」はディスクマガジン的な内容である。この他に「Dream-on」という大作が完成せずに未完成のまま配布された。



スゥイート

1994年11月7日・2DD×1・500円・



短編のアドベンチャーゲーム。何だか怖そうなタイトルロゴだが、別にホラーではない。自分は主人公の「耕介」になり、数年ぶりに再会した「睦美」ちゃんと会話をする。2択の選択肢によって画面右のハートが減ることがあり、うまくハートを維持したまま会話を終えると二人は結ばれる…というもの。

はっきり言ってこの耕介はヒドイ奴で、いきなり睦美の胸ばかり見つめるわ、「(弁当を貰っても)捨てる」とか、突然「服脱いで」とか言ったりする。実際、最後には睦美ちゃんを丸裸にしてしまうのであるが、都合よくハッピーエンドになるのであった。



FLOWERS(1993-1995)

1995年4月25日・2DD×1・500円・



TAKERUで発売された、はなえちゃんソフトが製作したソフトの体験版…なのだが、紹介されている「Dream-on」「アイシャ」「スゥイート」のうち、きちんと発表されたのは「スゥイート」のみ。「Dream-on」はTAKERUでは手に入らず、「アイシャ」は完成したものの出来が悪いのでお蔵入りにした旨が書かれている(ごく一部を本作の中で遊べる)。体験版集のようなソフトである。



Dream-on

1993年?(未発表)・2DD×2・



本来はこの作品が「はなえちゃんソフト」のデビュー作となる予定だったらしい。諸般の事情で未発表となったものを、ある程度遊べる状態にして配布したもの。G−NETの行っていた情報バンクサービス経由で取り寄せることができた。

主にアドベンチャーゲームの体裁だがパラメータを上下する要素があり、それによって進行が多少変わる予定だったらしい。実際に遊べるのは転校してきて女の子と知り合うまでと、彼女たちとの別世界での冒険を描いた「ドナウブレイド」というストーリーである。お話としては一応完結しているものの、線画のままの絵が残っていることと、システムが未完成となっているのが惜しい。


ぱにっくすたじお

1987年から2004年頃まで活動していたサークル。ただしMSX向けとしては1993年の「魔王の復活DX」が最後のようである。
末期はWindowsで戦車戦ゲームなどをリリースしていた。



ちにゃとくんゲーム

1991年12月24日・2DD×1・




2択の選択肢が連続する一発ネタアドベンチャーゲーム。洞窟に迷い込んだ友達を探して、ついでに財宝も手に入れて生還するのが目的。
プレイ時間は短いものの、とにかくよく死ぬゲームである。一つ選択を間違っただけで死亡。もちろんどちらを選べば良いかは考えたって分からない。
ひたすら死にまくってルートを覚えるしかないが、死に方のバリエーションがやたら豊富で重複が見られないのが凄い。

元は1990年6月頃に出たもので、初期のものとはかなりプログラム面で変わっているそうだ。
最初のバージョンは1.1、ここで紹介しているのはバージョン7.1とある。



あやちゃんすうぷれっくすI

1991年・2DD×1・



元は「環境研」というサークルが1988年8月にPC-8801用として発売した「あやちゃんすうぷれっくす」の移植版。
複数コマンドから選択するタイプの古いアドベンチャーゲームだが、初期の同人ソフトとしては絵が可愛らしかったために広く知られていたようだ。
ちなみにタイトルに「I」とあるのは、この時期既に「あやちゃんすうぷれっくすII(1989年3月)」「あやちゃんすうぷれっくす3(1989年12月)」がPC-8801でリリースされていたためである。それらがMSXに移植されたかどうかは不明。

※環境研のソフト情報については「同人ソフト大集合Part4」(辰巳出版・1991年)を参考にした。



魔王の復活DX

1993年2月2日・2DD×3・1300円・



MSX2+の自然画モードことスクリーン12を使ったアドベンチャーゲーム。正直言うと自然画(一部アニメーションあり)が出てくることとPSGでしゃべることくらいしかウリがなく、肝心のゲームは移動場所やフラグが妙に複雑で、あまり面白くなかった。さらに最後のジャンケンは完全に運のようである。

当時はまだデジタルカメラが一般的ではなかったので、自然画の取り込みはビデオカメラとMSX2+用に発売されていたビデオデジタイザを使っていたと思われる。


ほえほえの森

(詳細不明、情報募集中)



かものねぎ

1991年6月30日・2DD×1・



MSX2用のCG集。プログラム的な工夫はないが、絵柄がやや独特である。
それにしても6枚しか入っていない、というのはかなり少ない。
このソフト、無地の茶封筒にサークル連絡先を書いた紙片と共にディスクが入っているだけの状態で、詳細は不明である。


フォルネウス

(詳細不明、情報募集中)



フォルネウス'S グラフィック集 Vol.0(準備号)

発売時期不明・2DD×1・700円・



CG集。「準備号」とあるが、これ以後に発売されたかどうかは不明。
丁寧に書かれたCGと、それぞれに割と長いコメントがついている。
主にMSX2用のCGが収録されているが、最後に2枚だけMSX2+専用に自然画が収録されている。


ホワイトマウスソフトウェア

TAKERUで「ENTASIS」をリリースしたサークル。他にも何本かパソケット等で出ていたようだ。当時としては綺麗なCGと、割とよくまとまった内容が受けていた。



ENTASIS

1994年3月25日・2DD×1・800円・



「エンタシス」と読む。パズルやクイズなどのミニゲームが入っており、クリアするとごほうびにCGが見られるという、この頃よくあったディスクマガジン。音楽が良かったことも好評の一因だろう。今見るとCGはそれなりである。

発売日はTAKERUのものだが、イベントで売られたマニュアル付きのものも存在している。


魔導幼稚園

(詳細不明、情報募集中)



F−ZERU改

1991年・2DD×1・500円・



「エフゼルかい」。スーパーファミコンの名作「F−ZERO」のクローン…だが、ゲームとしてはマシン1台による単なるタイムアタックしかなく、面白くもなんともない。
音楽もPSGで特に工夫なくコピーしたもの。とりあえず画面が3D処理になってるのが当時としては頑張っている、という程度か。

F-nano2」シリーズと違って、完全に技術倒れの作品。こういうソフトの存在は、パソケットらしいと言えばパソケットらしい。


夢神楽遊睡

「むかぐらゆうすい」と読む。MSX・FAN休刊後の一時期の情報源となった同人誌「TOMBOY」の発行元、「GENUINE NETWORK」の代表。氏の作成したスプライトエディタ「SEPT」が個人名で出されている。



SEPT ver2.00

1995年・2DD×1・



高機能スプライトエディタ。恐らくMSX2の複数枚重ね合わせスプライトに対応したエディタとしては一番の完成度だろう。データの出力形式もバイナリ形式だけではなく、アセンブラのDB形式などで出すこともできる。ただ、セーブとロードのアイコンを間違えやすかった(確認が出るのでデータを失うことは少なかったが)。

元は500円くらいで売られていたもので、後にフリー化された。現在でも容易に手に入る。


武蔵野・常磐ギルド

「むさしの・ときわギルド」と読む。後の「モオソフト」のメンバーが関わっていたらしいサークル。成立の関係で漫画家のメンバーが多かったようだ。
「カルと牛」シリーズをいくつかリリースしていたことで知られている。



カルと牛

1991〜1992年頃?・2DD×1・



「カルトぎゅう」。伝説の深夜番組「カルトQ」からネーミングを頂いたクイズゲームで、問題の異なる何号かが存在している(手元には3種ある)。
システムも少しずつ改良されていたようだが、全体のテンポが悪くて完成度としてはあまり高くない。
1992年12月に発売された「MSXTraiN」(ファミリーソフト)にもこのゲームの問題違いバージョンが収録されている。
ちなみにタイトル画面(左画面)のキャラクターデザインは漫画家の「くら☆りっさ」である。


モオソフト/メエリブロ

モオソフトは1996〜1998年頃の同人活動の中心を担っていたサークル。「MSXアルハンブラ」「MAX」などの書籍を出すことが主体であった。
メエリブロはモオソフトの別名義であるサークル名。MSXには「3つの願い」をリリースしたのみである。他にWindows用に「OrangeHeads」など数本を出していた。



MSX TraiN MUSIC FILE

1994年・2DD×1・



市販ソフトとして発売された「MSXトレイン」「MSXトレイン2」(2は流通の都合で出回らなかったが)の音楽集。ただし、全ての曲が聴けるわけではない。
あまり知られていないが、曲の多くを梅本竜氏が手がけている。



MSXフェスタ96 レポートディスク

1997年1月19日・2DD×1・300円・



1996年8月に開催された「MSXフェスタ」のイベントレポート。まだWebが一般的ではなかったので、こういうソフトが存在した。
MSX2に対応するため256色モード(スクリーン8)を使用していて写真がちょっと見づらいが、まあ仕方がない。



MSXフェスタ97 レポートディスク

1998年1月25日・2DD×1・300円・



同じく、1997年8月に開催された「MSXフェスタ97」のイベントレポート。
前号のメニューは「MSXトレイン」等に出てきた「オローネフさくら」だったが、今回は「ウシ子ちゃん」になっている。256色なのは変わらないが、減色アルゴリズムの性能が向上したのか綺麗になった。

MSXフェスタは1998年にも開催されたが、こちらのレポートディスクは存在しない。恐らくWebの普及に合わせて、特に製作しなかったのだろう。



朝の光

1998年3月22日・2DD×2・500円・



モオソフト主催の青井氏の個人作品。選択肢のない、ほぼ純粋な小説。
主人公は盲目という設定で、タイトルを除いてほとんど絵も出ない。たまに効果音が鳴る程度の演出がある。



ロゴスマン

1997年3月22日・2DD×1・300円・



モオソフトの渡辺氏が「MAX」で連載していた同名ギャグマンガのゲーム化。
ただ、元のマンガと内容がほぼ一緒なのが残念。オリジナルのエピソードが欲しかったところ。



SMレディ

1994年5月3日・2DD×1・



こちらはオリジナルソフト。唐突に(中央の画面)出てくるSMレディに対して2択を迫られ、選択肢によって8つに分岐する、文字通りのバーチャル4コママンガである。全部見たとしても10分かからない。音楽もないし、くだらないと言えばこれ以上くだらないソフトもないのだが、勢いが良くてかなりのお気に入りである。

MSXマガジン永久保存版に収録されている。実は他のスタッフにはだいぶ止められたのだが、割と強引に入れさせて頂きました。



3つの願い

1998年・2DD×2・



元は1995年にPC-9801でアップルパイから発売された18禁ソフト。MSXでは同人ソフトとしてしか出回らなかったが、ほぼ変わりのない内容のはず。

牛乳の自動販売機から現れた悪魔が叶えてくれるという3つの願いを順番に追っかけるのがメインの話である。割と面白いのだが、18禁要素が薄いのとボリュームがかなり少ないのでPC-9801版もほとんど出回らなかったらしい(一応、ヨドバシカメラなどで見かけた記憶はある)。

見ての通り悪魔の絵が非常に気合いが入っている。反面、女性の含めたその他のキャラクターはそれなりである。
MSX2版はPC-9801版からもかなり遅れてのリリースとなったが、音源ドライバの問題が長いこと解決しなかったのが原因だった。


ろけっとましん

主にフリーソフトでツール類をリリースしていた一人サークル。
代表作としてMSX-DOS2用ディスクキャッシュ「Luna」がある。
ここに紹介する「PuRE」は単品ツールとして販売していた。



PuRE VER1.22

1995年・2DD×1・



PCMデータ編集ツール。
こうしたツールはフリーソフトとして発表されることが多かったが、稀に同人ソフトとして売られるものもあった。
(同梱の「SILAS」はフリーソフトとして発表されていた)

PCMデータの録音・再生・編集・加工(エコーなど)を画面上で行うことが可能。
複数バージョンが存在し、最終バージョンは1.60のようである。


やってやる

名古屋のサークル。TAKERUでリリースされた作品「犯回廊」「Life Plunder」の完成度がかなり高かった。
「Life〜」は未完で、続編が予定されていたが未発表。感想を送ったら、個人的に作りかけの「2」を頂いた。

その他、地元パソケットなどでディスクマガジン形式のソフト「やってやるぜ」シリーズを出していたようだ。



VS VISITERS

1991年6月12日・2DD×1・



「やってやる」の初期の作品。シミュレーションパートと、ひたすら連打による戦闘シーンからなるゲーム。
戦闘シーンが非常に長く、ずっと連打し続けるのは単調で厳しい。また勝敗の要素にランダムで起こるイベントの影響が強いなど、後の作品に比べると、まだまだ発展途上な感じである。



犯回廊 〜完全版〜

1995年12月4日・2DD×1・700円・



3Dダンジョン形式のロールプレイングゲーム。しかしシステムが極めて独特なものになっている。記憶を失った主人公が、自分の記憶の中をさまよいながら少しずつ過去を取り戻していく、というのが主な筋。1フロアを終えるごとに短いデモが入る。

ダンジョン内では回復できる場所が限られており、戦闘のバランスもかなりシビアだがなんとか先に進めるバランスを保っていて非常に面白い。よく分からない敵も、最終的にはストーリーの中で明らかにされていく。戦闘シーンを除いて音楽は全くないが、この作品にはよく合っていた。

「完全版」とあるのは、TAKERU版の発売以前にパソケット等で売られていたバージョンのバグ修正などを行ったことによる。



Life Plunder

1996年2月29日・2DD×1・900円・



これまた独特なシステムの作品。「犯回廊」と同じく3Dダンジョンのシーンもあるが、全体としてはアドベンチャーゲームに近い。時々起こる戦闘に勝たないと先に進めない。ある程度は成長要素もあるが、戦闘の回数がほぼ固定であるためにそれほど重要ではないようだ。また、多くの場面でBGMがつくようになった。

村の青年「サリアン」が、「ロング」「ノブーヤ」と共に騎士となるべく上京していく。大きい戦争の中で翻弄される彼らの運命を描いていく。本編のストーリーが非常によくできていて、かなり読ませてくれた。が、一段落ついたところで謎を残したまま終わってしまう。タイトル画面が最後に出てくるので、これからが本筋となる予定だったのだろう。



やってやるの密室

1995年8月・2DD×1・



「犯回廊」の初期版のリリースと同時に出されたと思われるディスクマガジン。「犯回廊」の製作記などを読むことができる。


遊雅族

「ゆうがぞく」と読む。名古屋のサークルで、同人ソフトとサークル紹介を兼ねた「MSX同人WORLD」シリーズの1〜3号を出していた。
元はRPG「BIZESU」を作るためのサークルだったのだが、こちらは未発表のままとなっている。
遊雅族としては96年頃に活動を停止しているが、それに伴って同サークルの出版部の方が「犬橇舎」を立ち上げたため、そちらで扱っている時期もあった。



MSX同人WORLD TAKERU EDITION

1995年12月12日・2DD×2・700円・



MSX同人WORLD、略して「M同」の1号。インターネットが一般的ではなかったころなので、複数のサークル作品を紹介するソフトに需要があった。ただ、取りまとめるのはかなり大変だっただろう。「TAKERU EDITION」とあるのは、1995年3月に発売した最初の版をTAKERU登録にあたって一部ファイルを圧縮するなどの手直しを行ったもの。

「マッチ売りの少女・拳」は「ODS」に掲載されたものの再録で、その他は各サークルの作品の体験版となっている。



MSX同人WORLD#2

1995年12月4日・冊子+2DD×4・1500円・



M同の2号。構成は前号と同じく体験版がメインだが、冊子状のマニュアルが付属するようになった(TAKERU版では別送)。マニュアルには各サークルの用意した原稿で、それぞれ自分のサークルの紹介を行っている。ディスク側にソフトが収録されていない、紹介のみのサークルもいくつか存在する。「マッチ売りの少女・拳」の第4話も収録。

ディスクが4枚になった上、圧縮ファイルで収録されているものも多いので全部見るのはかなり大変であった。



MSX同人WORLD#3

1996年・冊子+2DD×3・



M同3号。やはりデモ/体験版がメインの構成で、今回は大作が多く見応えがある。前2号と異なり、3号はTAKERU登録がされなかった。

開発が中断してしまい、このソフト内でしか見ることのできない作品もいくつか存在する。右画面はAGO SOFTの未完成作品「GLORIUS DAYS 〜栄光学園伝説〜」のデモ。他にVexation Maxの「かにがいる」、T-H-K-s.の「ファンタジーファンタジア」などが未発表と思われる。今となっては貴重な記録である。


結城由紀/Blast-Off電脳

(詳細不明、情報募集中)

※同一人物のサークルと思われる(住所が同一)が、前者の個人名しか使われていないソフトと、後者のサークル名が使われているソフトが存在している。



Girl's Graphics

発売年度不明・2DD×1・300円・



個人CG集。10枚のCGが収録されている。
CGを見る前にに女子高生の名前・誕生日・スリーサイズが表示される。絵はおおむね画面のようなもの。
また、入力する「出席番号」に0を入れると隠しのグラフィックが見られる。

ちなみに最初にパスワードを聞かれるが、「2」または「2plus」と入れることでメニューが漢字モードになるかどうかが変わるだけである(画面はMSX2+用)。
これはマニュアルがないと分からない。プロテクトではないようだが、変な作りである。



ATHLETE FIGHTER

発売年度不明・2DD×1・



アクションゲーム…というか、連打ゲーム。「4」と「6」を連打するほど速く走り、ライバルより先にゴールすると勝利。5人勝ち抜くとエンディング。
外見から受ける印象とは裏腹に、ひたすら淡々と進む。
対戦キャラクターは5人もいるものの、対戦順は固定。さらに勝ってもコメントがちょっと出るだけですぐ次の相手と走り出す。全編音楽もなく、とても地味。
エンディングを迎えると「激闘・四天王編」なる次回作の予告が唐突に出てきて終わり。
マニュアルも人物紹介が主人公だけで終わっていたりして、投げやりな雰囲気である。


わけわからんサークル

TAKERUで「変なの」というミニゲーム集をリリースしたサークル。MSX・FANやマイコンBASICマガジンへの投稿作品もあった方。



変なの

1996年7月8日・2DD×1・600円・



タイトル通り、変なソフトの総集編のようなソフト。なかなか説明に困るような内容が多いが、割と面白かった記憶がある。それにしてもメニューを見ただけでは何のソフトだかさっぱり分からないのが凄い。

初回の起動時のみ表示されるオープニングがある。


DISK WORLD

本来は違うサークル名なのだが、代表者の本名そのままなので便宜的にこうさせて貰った。ディスクマガジン「DISK WORLD」の発行元。



DISK WORLD #4

1995年8月24日・2DD×1・



ほとんどテキストのみのディスクマガジン。メニューが変わっていて、一枚絵の特定の箇所をクリックすることで各コーナー、もしくはサブメニューに入ることができる。
DISK WORLDは#1〜#5くらいまで存在したらしい。G-NET情報バンク経由でしか取り寄せられなかったと思う。

(以下、サークル名不明のソフト群)



ブロックXX

発売年度不明(1991年8月?)・2DD×1・



「ブロックペケペケ」と読む。正体不明のソフト。
上から落ちてくるブロックをただ避けるだけ。ミスするまでの時間の長さによって、表示される女の子の絵が変わる。(短い場合はゲームオーバーと表示される)。
正直言って何をコメントしていいか分からない、手抜き作品である。
マニュアルから分かるのは、ゲーム画面(中画面)の左の女の子が「エテ江」、右の子が「エテ子」ということくらいか。ゲーム中、マニュアル共に連絡先も、サークル名も記載がない。



魔法使いイズ

発売年度不明・2DD×1・



4人対戦のクイズゲーム。相手がいない時は一人で遊べるけれど、ちょっと空しい。
兄弟が拾った魔女の子「イズ」を巡って争う…というストーリーであるが、ゲームではクイズに答えられた人の指示に従って移動する。個別に設定された目的地につくとボーナス。
MSX2+の横スクロール機能を演出に使っているのがやや珍しい。
オマケとして「SILK」というアクションゲーム(右画面)が収録されている。イズとは別だがやはり女性の魔法使いが主人公らしく、制作者の妙なこだわりが見える気がする。

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