MSX同人ソフト紹介(5/14)

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MIWA

ソフトベンダーTAKERUでシューティングゲーム「MULTI−PLEX」を一作リリースしたのみのサークル。技術力やグラフィックのセンスが高く、なかなか好評であった。



MULTI−PLEX

1994年6月1日・2DD×1・1300円・



「マルチプレックス」。「MSXでX68000する」という挑戦的なキャッチコピーで出た横スクロールシューティングゲーム。
(X68000はMSXよりもハイスペックで高価だった、同時期の16ビットパソコンのこと)

多重スクロールする背景の色使いやパレットアニメなどが美しくまとまっており、2面の水面の表現や3面の高速スクロールなど演出面にも力が入っている。

ゲームとしては敵が非常にモロく、その代わりにひたすら数で押してくるという点が特徴。オプションを最大の4つつけていないと押し切られてしまう局面が多い。またシステムがかなり独特で、自機がやられた際に得点をオプションに勝手に変換してしまうという要素があった。

10万点ないとコンティニューができないため、いつの間にかコンティニューができなくなっていたりした。


MJ-2 SOFTWARE

一時期、かなり精力的にゲームをリリースしていたサークル。それでも、スタッフは二人だけだったらしい。
代表作は3Dダンジョンタイプの「Dungeon Striker」シリーズと、ボードゲームの「魔龍牌」シリーズで、よく雑誌などでも紹介されていた。
ちなみに「MJ」とは「MAJESTIC」の略。デモ中などに「MAJESTIC-TWO SOFTWARE」の表記が見られる。



魔龍牌

発売年度不明・2DD×1・



4人の魔物と順番に「魔龍牌」なるゲームをしていく。相手の点数を0にすると勝ち。点数の減少に応じてなぜか服を脱がしていく絵を見れる。

バランスは割といい加減で、開始直後の状態で相手の点数がいきなり0になる役で勝っていたりすることがある。



魔龍牌2

1990年・2DD×1・



「魔龍牌」の続編。基本的には前作と同じらしいが、マニュアルがなくて役が分からない。



Dungeon Striker

発売年度不明・2DD×1・1300円・



サブタイトル「エミーサの迷宮」。MJ-2 SOFTWAREの第三作目に当たる。
主人公とワードラゴンの二人でエミーサ国の迷宮へと入っていき、4本のシナリオをクリアしていく。

通信販売即売会とでマニュアルが異なっていたらしいが、出回っているもののほとんどが通販バージョンである。



Dungeon Striker -迷宮の覇者-

発売年度不明・2DD×2・



Dungeron Strikerの続編。やはりシナリオは4本だがディスクは2枚組となった。



魔龍牌III

1992年・2DD×1・



魔龍牌の三作目。正しい名前が「III」なのか「参」なのかよく分からない。1枚絵のグラフィックが微妙に退化しているような気がする。



龍招換娘

発売年度不明・2DD×1・



2DタイプのRPG。メイン画面が非常に狭く、必要に応じて画面の左右にウインドウ?が出てくるのが変わっている。
マニュアルやゲーム画面で「召還」と「招喚」の両方の漢字が使われていて、混乱している。

ところでこのゲーム、PC-9801用の市販ソフト「ドラゴンマスターシルク」(ギミックハウス、1992年12月)が続編という噂があるけど本当だろうか。
確かに「〜龍召還娘〜EPISODE II」と書いてあるのだが…。

「ドラゴンマスターシルク」はPC-9801用の続編「2」(1995年8月)と、セガサターンへの移植版(1997年3月)も存在する。


MNS SOFT

ソフトベンダーTAKERUで発売された「DARK CASTLE」の開発元。



DARK CASTLE

1993年9月17日・2DD×1・500円・



TAKERUの末期はCD−ROMからフロッピーディスクにソフトを書き出していたのだが、その容量が不足していた。そのために同人ソフトは古い方からどんどん登録を抹消されていたにも関わらず、この「DARK CASTLE」だけはほぼ最後まで残っていた。…というだけで買ってしまったので、実は全然遊んでいない。ごめん。


MSX BRIGADE

ブラジルのサークル、らしい。日系の方が日本に輸入してSYNTAX経由で売られた「MSX BRIGADE」の開発元。



MSX BRIGADE

1994年・2DD×2・



ブラジルのディスクマガジン。意外と知られていないが、ブラジルはMSXがかなり普及した国の一つである。歴史的に日本からの移民も多かったので向こうのイベントの写真を見ると日本人にしか見えない人も多い。しかしほとんどが日系3世なので、日本語での意思疎通は困難だという。ブラジルの公用語はポルトガル語で、交流の上ではかなりのハードルになっている。地理的にも遠いが、MSX界においてもブラジルと日本の距離は遠いのであった。


MSX CLUB GHQ

変な名前だが、これは日本のサークル。MSX・FAN誌上の「Internationalization(国際化)」コーナーでたびたび取り上げられていたのを覚えている方も多いだろう。まだ電子メールすら普及していない時代に、オランダを始めとするヨーロッパのソフトを輸入したり、自前のディスクマガジン「侍円盤」シリーズを作ったり、同人誌「頭上注意!」を発行したりと幅広い活動を行っていた。MSX初期の国際交流を担ったサークルである。



侍円盤#1

1992年?・2DD×1・



タイトル画面に書いてあるが、「サムライディスク」と読む。このディスクマガジンが他と大きく違うのは、元々輸出を前提としており、あちこちに英語で書かれた記事が存在することである。全体としてあまり内容は多くない。

だがメニュー画面(中画面)などを見て分かると思うが、極めて怪しすぎるセンスでまとめられている。「勘違いしたニッポン」を意図的に充満させた雰囲気作りには成功していて、こんなもんがオランダやスペインに送られて、MSXフリークの手に届いていたかと思うとなかなか笑える。

1号はまだ少しの文章、音楽、CGくらいしかない。



侍円盤#2

1992年8月?・2DD×1・



第二号。相変わらずの編集方針は健在で、これを作っていたのが日本人二人組というのがなかなか信じられない。
ちなみにスタッフの片方は後に芸人になったとかいう話を風の噂で聞いたのだが、さもありなんという感じもする。

「序文」は英語でヨーロッパの各サークルへの挨拶文が書かれているくせに、「四コマ」は日本語のしかも不条理モノという構成である。
ちなみにメニュー(右画面)でスペースキーを押すと、天井のライトからレーザー光線が降り注いで下にいる某キャラクターが消滅する。なんだこりゃ!



侍円盤#3

1993年1月?・2DD×1・



ますますワケの分からないタイトルCGが絶好調な第三号。
メニュー(中画面)の5番、「府雷院倍都」とは「FLYING BYTES」というヨーロッパのサークルのことで、簡単なデモが見られる。



侍円盤#4

1993年5月?・2DD×1・



第四号。このあたりから本格的に内容が怪しくなってくる。
特にメニューの「術心得」から見られる忍者の解説(右画面)は日本語と英語で忍者の体術・忍術を紹介するというもの(侍なのに)。ディスクマガジンのコンテンツとはとても思えない。よく見ると字が間違っているのはご愛嬌。

このタイトル画面(だけ)はMSX・FAN誌にも掲載されたので見覚えがある人もいるだろうが、割と普通に見えるところをうまく選んだものだと思う。



侍円盤#5

1993年7月?・2DD×1・



第五号。なぜかタイトル画面ではクーラーの効いた部屋で寛ぐ侍。このへんまでくると各コンテンツに添えられたCGの発狂度がかなり増してくる。
メニュー画面などはどこからツッコんでいいものやら・・・。「音楽館」の猿もなかなかイッた表情をしていて捨てがたい。

また、FLYING BYTESの「PSG TRACKER」の体験版(右画面)を収録。
これが一番真っ当なコンテンツであるというところがGHQらしい。



侍円盤#6

1993年11月?・2DD×1・



第六号。タイトルロゴが出てくるまでのアニメーションに妙に凝っている。しかしメニューは超手抜き(中画面)。
その他のコーナーは相変わらずの怪しさである。「音楽館」のCG(右画面)など、どうして妙なストーリー性を持たせてしまうのだろうか。

ブラジルの「COBRA SOFT」のデモも収録されている。



侍円盤#11

1995年?・2DD×1・



いきなり飛んで11号。今回のコンテンツは4つしかない。時間稼ぎのためか、メニュー(右画面)はルーレットになっていて任意の場所から見ることができない(ひでえ)。
リターンキーを押せば隠し機能として好きに選べるのだが、いきなり「あとがき」とか読まされても意味が分からないぞ。もっとも、全体的によく分からない内容なのはいつものことであるが・・・。

「侍円盤」は15号くらいまで続いたようだ。国内では初期を除いてあまり積極的に売られなかったこともあり、詳しい情報が少ない。


MSX Club KS/北陸MSXイベント開催協議会

「MSXクラブ ケース」と読む。金沢のサークルで、やたらと郷土色の強いディスマクガジン「Free Fall Press」が3号発行された他、「百万石ディスク」(名前が素晴らしい!)を「北陸MSXイベント開催協議会」の名前で発行している。全体的に内容はイマイチな感があったが、「EDCOM」という独特の拡張BASICによってテキストを縦書きにするなど雰囲気作りはよくできていた。



Free Fall Press vol.1.5

1995年1月22日・2DD×1・500円・



「えふえふぴぃ」とは「Free Fall Press」の略称である。なぜ1.5なのかは分からないが、どうもTAKERUで売られる前のバージョンが存在したようだ。とにかくレスポンスの悪い作りで、内容もあまり面白くはない。



FFP vol.2

1996年5月14日・2DD×1・500円・



FFPの2号。前号と違い、TAKERU登録名がFFPという略称になっているのでタイトルが違っている(理由は不明)。この号から縦書きが全面的に使われるようになった。ただ、拡張BASICのデキは良いのだが、ジョイパッドのトリガチェックをあちこちで忘れているなど甘い作りであった。でも、1号に比べると魅力が出てきたように思う。



FFP vol.3

1996年11月15日・2DD×1・500円・



FFPの3号。TAKERUの最終リリース作品の一つであると同時に、FFPもこの号で終わりとなった。内容的にはちょっとトーンダウンしている。メニューの色がXORによる反転なのと、なぜか物悲しいBGMなのでちょっと不気味。



百万石ディスク

1996年・2DD×1・



北陸のMSXイベント用に発行されたディスクマガジン。見てのとおり、中身はほぼ「FFP」のメンバーが作っている。活動末期であったためか、全体にテンションが低い文章が多い。あと「3D(仮)」の動作が非常に不安定で、1回しか動いたことがない。


MSX USER'S MAGAZINE

同名のディスクマガジンの発行母体…となるはずだったのだか、結局「準備号」だけで終わってしまったようだ。案外そういうサークルは少なくない。



MSX USER'S MAGAZINE 準備号

1996年1月22日・2DD×2・700円・



準備号という名前だが、ディスク2枚に結構な量のデータが入っている。他サークルへの呼びかけも積極的に行ったようで、BLUE EYESなど同人ソフトのデモなども充実している…が、全体としてこれといった特徴のない内容になってしまっている。製作のきっかけは「PROLOGUE DISK」のシリーズの終了であることが中のテキストに書かれている。


MSX−MEN

スペインのディスクマガジン「EUROLINK(ユーロリンク)」シリーズの発行元。4号まで出ていたようだが、詳細は不明。



EUROLINK#2

1997年1月20日・2DD×1・



スペインで発行されたディスクマガジンの2号。テキストが主体の内容で、ソフトレビューやニュースなどを読むことができる。まだインターネットの普及期だったので、こういうソフトは洋の東西を問わずよく見られた。スペイン語のコンテンツはなく全て英語で、日本人にも(それなりに)分かりやすい。日本のソフトである「F−nano2」なんかもレビューされている。



EUROLINK#4

1998年5月2日・2DD×1・



スペイン発のディスクマガジン第4号。内容は2号とあまり変わりなく、テキストが主体。この号から写真も表示できるようになったらしく、日本のイベントの様子も紹介されている(なぜか僕の写真も載ってた)。その他、「PENTARO ODYSSEY2」のデモ版を収録。

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